出版社内容情報
心の苦しみが生まれるメカニズムについて、神経回路(ニューラルネットワーク)を手掛かりに解きほぐす。心の苦しみが生まれるメカニズムについて、神経回路(ニューラルネットワーク)をもとにして考察している。本書で示すメカニズムの妥当性は、心理学実験結果および仏教に関わる多くの言葉と対比させながら検証している。心を科学的に捉える一つの方法論を提案しており、脳科学、心理学、認知科学、ロボット工学、AI、哲学、宗教学など、幅広い学問領域で応用が期待できる。
松本隆男[マツモトタカオ]
目次
1章 ニューロンのモデルとネットワーク
2章 認知的不協和と心の苦しみ
3章 心の苦しみとニューロン
4章 意識の切り替えと心の苦しみ
5章 「苦しみのトライアングル」と初期仏教
6章 仏教による心の安らぎとニューラルネットワーク
著者等紹介
松本隆男[マツモトタカオ]
工学博士。1949年愛媛県松山市生まれ。大阪大学工学部通信工学科卒業。同大学院工学研究科通信工学専攻修士課程修了。佛教大学文学部仏教学科卒業。日本電信電話株式会社(NTT)研究所勤務。現在、東京電機大学工学部情報通信工学科教授。臨済宗円覚寺派泥牛庵暁天坐禅会幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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booklight
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ニューラルネットワークの基礎をしっかり数式で説明したうえで、仏教を理解してみようという本。なかなか面白い。ニューラルNWの特徴として双安定性がある。階段のスイッチのように同じ経路でも刺激の入り方によって出力が違う。ルビンの壺も見方によって見え方が変わることをこのロジックで説明し、さらに悩みとは、仮想と現実の間で、NWが安定しない状況では、として様々な悩みをあてはめていく。脳をNWとして理解して、刺激によって違う答えが出る、不安定が悩み、と思うと楽になる部分もある。理解不足はあるが、感覚としては面白かった。2020/10/18