出版社内容情報
世界初の「鮮明な力触覚伝送」の発明者自らが、力を感じ感触を伝える多目的ロボットが、人の幸せに貢献することを平易に説く。本書は、世界で初めて「鮮明な力触覚の伝送技術」の開発に成功した慶應義塾大学の大西公平教授が、その理論的背景とあらゆる分野に拡がる応用について、インタビューの形式を採りながら、平易に解説したものである。究極の多目的機械である人間の行為を代行するには、力を感じ感触を伝え、環境に順応する能力が必須であり、それが介護や福祉など広範囲に使えるロボットが求められている分野において最重要の技術となることを説く。
はじめに
第一章 柔らかく掴む
ハプティクス義手の衝撃
足で操る手
工学的実現とは何だろうか
学生のアイデアが活きる時代
柔らかいロボット
連動する指
事前学習無用のロボット
第二章 遠くから掴む
リアルの由来
テレの由来
蒼き海を行け
ハプティクスの医学への応用
ハプティクス鉗子の成果
身近な力センサー
機械設計の思想
第三章 汎用機で掴む
若き研究者たちの秘密基地
プロジェクトの詳細
手術は柔らかい手で
硬さの由来
ロボットという言葉、そしてGPMへ
プレゼンテーションの難しさ
第四章 双対性で掴む
手回し発電機の実験
双対性で掴む
理想世界のMとG
差のモードは位置を制御する
和のモードは力を示す
数学と工学の違い
ニュートンを騙す
ABCからはじめよう
疑似感覚と実感覚
第五章 日本発で掴む
明治維新以降の日本
超成熟社会
「行為」は時空を超える
新時代のハムレット
教育の問題
好奇心の赴くままに
おわりに
大西 公平[オオニシ コウヘイ]
慶應義塾大学教授
内容説明
リアルはバーチャルよりも奇なり。世界で初めて高精度の力触覚伝送を実現した大西教授。その概要と社会に与える巨大なインパクトについて語る。
目次
第1章 柔らかく掴む(ハプティクス義手の衝撃;足で操る手 ほか)
第2章 遠くから掴む(リアルの由来;テレの由来 ほか)
第3章 汎用機で掴む(若き研究者達の秘密基地;プロジェクトの詳細 ほか)
第4章 双対性で掴む(手回し発電機の実験;双対性を掴む ほか)
第5章 日本発で掴む(明治維新以降の日本;超成熟社会 ほか)
著者等紹介
大西公平[オオニシコウヘイ]
1980年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。同年慶應義塾大学工学部電気工学科助手。1996年より理工学部システムデザイン工学科教授。2001年IEEEフェロー、2004年IEEE Dr.‐Ing.Eugene Mittelman Achievement Award、2008年電気学会業績賞、2011年電気学会フェロー、2012年日本学術会議会長賞、福澤賞、2016年紫綬褒章などを受賞。2015~2016年電気学会第102代会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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