MATLAB/SimulinkによるCDMA

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MATLAB/SimulinkによるCDMA

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  • サイズ A5判/ページ数 175p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784501321000
  • NDC分類 547.66
  • Cコード C3055

出版社内容情報

アナログセルラー方式から始まった第1世代の公衆移動通信は,デジタルセルラー方式の導入により第2世代へ移行しつつある.さらに西暦2000年にはマルチメディアに対応した第3世代へ進展すると予想されている.第3世代の携帯電話システム「IMT-2000」では世界統一標準化がITU(International Telecommunication Union)で行われており,世界各国の提案方式が競合している.特に重要となる無線アクセス方式には,音声ばかりでなくファックス,電子メール,コンピュータ間通信,静止画,動画などの様々なマルチメディア情報を伝送できる大容量伝送路と,移動網を経由したことを意識させない高品質伝送路の提供が必要である.これらの要求を満たす次世代方式の有力候補として,符号分割多元接続(CDMA: Code Division Multiple Access)が注目を集めている.IMT-2000に対する日本案はDS-CDMA(Direct Sequence CDMA)をベースとするW-CDMA(Wideband CDMA)方式にほぼ固まっている.
 CDMAは従来の通信システムにはない様々な技術を集めた複雑なシステムであるが,最も特徴的なものは「拡散符号」であると言える.この拡散符号を用いるがゆえ,FDMAやTDMAにはない様々な利点が生まれると同時に工夫も必要になる.それゆえCDMAの本質を理解するには,拡散符号の性質や役割を理解することが重要と言える.CDMAでは,「これ以上ユーザと接続できない」という,回線数の明確な上限が無い.FDMAやTDMAでは,回線数は設計段階において明確に固定的に決定され,それ以上のユーザを接続することはできない.これに対してCDMAでは,回線数が増加すると,通信品質は緩やかに劣化する.回線容量は通信路の状態および要求する通信品質に依存し,明確には求めることができない.しかしデータ誤りによる品質劣化は,誤り訂正符号により改善可能である.したがってCDMAシステムにおいては,誤り訂正符号が回線容量を増加するために重要である.
 CDMAでは拡散符号や誤り訂正符号の理解が重要になってくるわけだが,これらは「ガロア体理論」を中心とする,極めて数学色の濃い代数理論を基にしている.そのため,数学の専門家でないと理解が困難なところがあった.そこで本書では,アルゴリズム開発言語として世界的に普及している「MATLAB」と,そのオプションであるブロック線図シミュレータの「Simulink」を用いて,シミュレーションによって視覚を中心に拡散符号と誤り訂正符号の理論を確認し,それらがCDMAとどのように関わっているのかを解説することによりCDMAを理解することを試みた.MATLABをお持ちの読者においては,実際にシミュレーションできるよう,CD-ROMでプログラムを提供しているので是非試していただきたい.本書で用いているMATLABのバージョンは,R11.1(MATLAB 5.3.1/Simulink 3.0.1) である.
 本書の構成としては,前半がCDMA全般の技術と理論の解説とし,後半でMATLAB/Simulinkを用いて,前半の内容を,符号に重点に置いてシミュレーションを中心に確認している。また付録として,MATLAB/Simulinkの基本的な使用法を解説した.それぞれの執筆分担は以下のようである.
    第1章~第4章:理論/概要編
        東京工業大学,真田幸俊
    第5章~第7章:MATLAB/Simulinkによるシミュレーション編
        サイバネットシステム(株)
    付録:MATLAB/Simulinkの使用法の基本
        サイバネットシステム(株)
 サイバネットシステム(株)執筆分は、MATLAB技術部の石塚真一が中心となって執筆した。
 最後に本書を執筆するにあたり,東京工業大学情報工学科,荒木純道教授においては,ご多忙中にもかかわらず第一部の原稿を丹念にチェックして頂いた.また,東京電機大学出版局の植村八潮氏においては,出版までの間、多大なる励ましの言葉を頂いた.両氏に紙面を借りてお礼申し上げます.

2000年2月:著者ら記す

1 移動体通信の発展動向
1.1 周波数分割多元接続(FDMA)
1.2 時分割多元接続(TDMA)
1.3 符号分割多元接続(CDMA)
1.4 CDMAと誤り訂正符号
1.5 多元接続方式とセルへの周波数の割り当て
1.6 CDMAの特長・欠点

2 CDMAと拡散符号
2.1 CDMAとスペクトル拡散通信方式
  2.1.1 DS方式
  2.1.2 FH方式
2.2 拡散符号
  2.2.1 拡散符号と誤り率
  2.2.2 拡散符号に要求される条件
  2.2.3 M系列
  2.2.4 直交符号
  2.2.5 Gold系列
  2.2.6 その他の系列

3 CDMAの要素技術
3.1 パワーコントロール
3.2 RAKE方式
3.3 ソフトハンドオフ
3.4 干渉除去
 3.4.1 時間領域における他局間干渉除去
 3.4.2 空間領域における他局間干渉除去方式
3.5 ボイスアクティベーション
3.6 セクタ化

4 次世代移動通信システム
4.1 IMT-2000標準
 4.1.1 標準化動向
 4.1.2 IMT-2000の要求条件
 4.1.3 IMT-2000システムの技術的特長
4.2 W-CDMAシステムの技術的特長
 4.2.1 拡散率可変/マルチコード
 4.2.2 基地局間非同期[19]
 4.2.3 パイロット信号
 4.2.4 パワーコントロール
 4.2.5 誤り訂正符号
4.3 IMT-2000フェーズ2

5 通信システムシミュレーション環境
5.1 MATLAB/Toolbox環境
 5.1.1 プログラム環境
 5.1.2 対話型環境
 5.1.3 GUIメニュー環境
5.2 Simulink/Blockset環境
5.3 プログラミング&ブロック線図協調環境
 5.3.1 プログラムをSimulinkのブロックに取り込む
 5.3.2 プログラムの中からSimulinkのシミュレーションを実行する
5.4 Stateflow環境
 5.4.1 フローチャートの例
 5.4.2 ステートチャートの例
5.5 通信システム開発ツール
 5.5.1 Signal Processing Toolbox
 5.5.2 DSP Blockset
 5.5.3 Communications Toolbox/Blockset
 5.5.4 Fixed Point Blockset
 5.5.5 その他のツール群

6 MATLABによる符号の取り扱い
6.1 代数的準備
 6.1.1 体とは?
 6.1.2 ガロア体とは?
 6.1.3 既約多項式とは?
 6.1.4 原始多項式とは?
 6.1.5 ガロア拡大体とは?
6.2 拡散符号
 6.2.1 疑似ランダム信号とランダム信号
 6.2.2 M系列
 6.2.3 直交符号
 6.2.4 FH系列
6.3 誤り訂正符号
 6.3.1 符号と距離の関係
 6.3.2 最小距離とBCH限界
 6.3.3 BCH符号とRS符号
 6.3.4 積符号
 6.3.5 連接符号
 6.3.6 畳み込み符号とViterbiアルゴリズム

7 システムのシミュレーション
7.1 直接拡散方式(DS/CDMA)
  7.1.1 シングルユーザアクセス
  7.1.2 マルチユーザアクセス
7.2 周波数ホッピング方式(FH/SS)
 7.2.1 Simulinkによるモデル
 7.2.2 マルチユーザアクセス
参考文献

付録1 MATLABの基本
A1.1 変数の定義方法
  A1.1.1 マニュアルによる方法
  A1.1.2 MATLABの関数を使って作成する方法
A1.2 データ操作と演算/関数の使用法
 A1.2.1 データ操作
 A1.2.2 演算
A1.3 プロットの方法
A1.4 M-file の作成法
 A1.4.1 スクリプト M-file
 A1.4.2 ファンクション M-file

付録2 Simulinkの基本
A2.1 基本操作
  A2.1.1 Simulinkの起動
  A2.1.2 モデルウィンドウのオープン
  A2.1.3 ライブラリのオープンとブロックのコピー
  A2.1.4 ブロックの結線
  A2.1.5 ブロックパラメータの設定
  A2.1.6 シミュレーションパラメータの設定
  A2.1.7 シミュレーション
  A2.1.8 システムのセーブ
A2.2 移動平均フィルタシステムの作成
 A2.2.1 フィルタブロックを用いる方法
 A2.2.2 トランスバーサル構造で実現
A2.3 ブロックのカスタマイズ

索 引

内容説明

本書では、アルゴリズム開発言語として世界的に普及している「MATLAB」と、そのオプションであるブロック線図シミュレータの「Simulink」を用いて、シミュレーションによって視覚を中心に拡散符号と誤り訂正符号の理論を確認し、それらがCDMAとどのように関わっているのかを解説することによりCDMAを理解することを試みる。

目次

第1章 移動体通信の発展動向
第2章 CDMAと拡散符号
第3章 CDMAの要素技術
第4章 次世代移動通信システム
第5章 通信システムシミュレーション環境
第6章 MATLABによる符号の取り扱い
第7章 システムのシミュレーション
付録1 MATLABの基本
付録2 Simulinkの基本