内容説明
1600年のギルバートの『磁石論』の発表以降、静電気の時代を経て、電力・通信技術の確立や電信や電灯などの電気を用いた技術が成立していった19世紀中葉から20世紀初頭、また電力や通信技術が完成していった20世紀後半までの電気の歴史の中で、人間と電磁波がどうかかわってきたかをいくつかの話題に沿ってまとめた。とくに自然を発生源とする環境中の電磁現象、電力や通信技術にみられる人工的な電磁波と、人間や生き物がどのようにかかわってきたかを、わが国も含めた歴史的な視点をふまえ、時代を交差させながら鳥瞰した。
目次
第1章 磁気と磁石
第2章 地球の静電気
第3章 地球を駆ける
第4章 植物と電磁波
第5章 診断とホルモン
第6章 自然電磁界とのかかわり
第7章 低周波電磁波を巡る
第8章 高周波電磁波をたどる
著者等紹介
重光司[シゲミツツカサ]
大分に生まれる。北海道大学工学部電子工学科卒業。北海道大学大学院博士課程修了。工学博士。(財)電力中央研究所、ならびに電磁界情報センター勤務を経て現在に至る。この間、平成21~23年度日本学術会議連携会員を歴任。1974‐1976年に西ドイツ(当時)マックス・プランク生理学研究所研究員。専門は生体電磁工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユビヲクワエルナマケモノ
5
磁気を活用した機械的な話を想定していたが、磁気の人体や生物への影響ないし利用の話が多い。例えばナマズや渡り鳥の行動が地磁気の影響を受けて云々という説明を耳にしたことはあったが、本書で初めてその具体的な仕組みのイメージが描けた。また、この手の本としては歴史や文学からの引用が多く、文系人間には為になる雑学が増えた。とはいえ、最低限電気と磁気の基本的な関係(電磁力や電磁誘導等)の知識が無いと理解し辛いところがある。同出版社の『電気の歴史』もそうだが、この辺についてもう少し丁寧な導入があればより親切だったと思う。2022/08/26
農明(ノウミョウ)
1
電気・磁気の歴史、電磁波と植物等の関わりについて触れてあった。面白い視点で書かれていた。2018/11/03
もちねこLv.4
1
電磁気に関すること(電磁波)の医学的効用への関心・動植物の振るまいとの関わり及びそれらへの影響・気象との関連・地球上での事柄、工学(送電)への応用に関することをまとめたもの。ネタ探しにはよい。2013/11/25