冬雷

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488025540
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。12年前に行方不明になった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。孤児だった代助は、日本海沿いの魚ノ宮町(おのみやまち)の名家・千田家の跡継ぎとして引き取られた。初めての家族や、千田家と共に町を守る鷹櫛神社の巫女・真琴という恋人ができ、幸せに暮らしていた。しかし義弟の失踪が原因で、家族に拒絶され、真琴と引き裂かれ、町を出て行くことになったのだ。葬儀に出ようと故郷に戻った代助は、町の人々の冷たい仕打ちに耐えながら、事件の真相を探るが……。『雪の鉄樹』で最注目の新鋭が濃密な人間ドラマを描く、最高傑作!

遠田潤子[トオダジュンコ]

内容説明

大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。12年前に行方不明になった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。孤児だった代助は、日本海沿いの魚ノ宮町の名家・千田家の跡継ぎとして引き取られた。初めての家族や、千田家と共に町を守る鷹櫛神社の巫女・真琴という恋人ができ、幸せに暮らしていた。しかし義弟の失踪が原因で、家族に拒絶され、真琴と引き裂かれ、町を出て行くことになったのだ。葬儀に出ようと故郷に戻った代助は、町の人々の冷たい仕打ちに耐えながら、事件の真相を探るが…。

著者等紹介

遠田潤子[トオダジュンコ]
1966年大阪府生まれ。関西大学卒。2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

209
【もし俺がヒーローだったら 悲しみを近づけやしないのに】降雪の前触れとなる日本海側の冬雷(とうらい)昭和初期のような閉塞感に包まれた冬雷の田舎町・旧家へ養子に迎えられた代助11歳。地縁血縁で結ばれた田舎町の唯一の売りはいにしえの祟りを祭祀によって鎮める冬の大祭。鷹櫛神社の巫女は時別な神楽を奉納し、代助が養子に迎えられた冬雷閣と呼ばれる旧家では、海に向けて鷹を放つ放鷹を奉納する。同い年の神社の巫女・真琴と心を通わせる代助。けれど古来より冬雷閣と鷹櫛神社は一心同体でありながら、両家の男女は決して結ばれぬ→続 2017/08/02

utinopoti27

181
児童養護施設で育った代助は、ある事情で旧家の跡取りとして引き取られるが、因習に縛られる閉鎖社会に翻弄された挙句、殺人犯の汚名を被せられてしまう。愛憎渦巻く人間関係、幻想的な神楽の舞、鷹匠と巫女の純愛、怪魚伝説、相次ぐ死の影・・今回は、作者特有の重苦しい世界観に、ファンタジーと謎解きミステリを融合させたような、欲張りな構成になっています。ただ、さすがの遠田先生も、本格ミステリは不得手なのか、伏線が曖昧で回収の爽快感に乏しく、関係者一同を集めて推理を披露するシーンなど、今や手垢まみれ。やはり餅は餅屋か。2019/02/26

タイ子

160
遠田さん、何作目だろう。このどよ~んとした感覚と急き立てるように進んで行くストーリーが楽しくさえなりました。小説だから許される人生、架空だから興味が湧く場所、そう思わなくっちゃ楽しんでいられないこれが遠田ワールド。 何百年も町を護ってきた神社と鷹匠を持つ製塩会社。神社には美しい巫女、製塩会社には施設から養子にきた鷹匠。 結ばれてはいけない2人の男女の人生が町や家のしきたりによって狂わされていく。出ました、遠田ワールド! 自分の人生さえ人に左右されなくてはいけないなんて悲しすぎる。2人の人生に幸あれ!2018/02/10

いつでも母さん

153
何が「今度こそ一緒に」だ!そうだ私は憤っているのだ。遠田さんの紡ぐ閉塞感たっぷりの町に、人に、風習に。まったく反吐が出そうなくらいなのに私は遠田ワールドから目が離せない。え?この世界観のどこに救いがある?苦しくて・・ただ苦しいだけだ。なのに囚われているのは私。貴方もきっとお好きなはず・・ですよね?2017/06/04

モルク

149
昔からの神事を守っている地方の閉鎖的な地。地元の盟主の養子として代助は迎えられる。しばらくして養父母の元に実子が生まれ代助は複雑な立場となる。そしてその弟がある日忽然といなくなる。疑いの目を向けられ代助は必死に無実を訴えるが…12年後遺体が発見される。慣習にとらわれた陰湿な町、意地悪な少女たち、妄想に浸る少女、勝手な大人たち。まわりに翻弄されながらも真っ直ぐ生きる代助。こういう背景、遠田さん得意だよね!この暗さが癖になる。そしてまた読みたくなる。2017/10/27

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