内容説明
食べ物飲み物に至るまで刺客に警戒怠りなかった李小遊が、猛毒にあたって死んだ。唯一毒味をしなかった薬のせいに違いないと、薬屋を営む蒲半仙は囚われの身となってしまう。娘の公英が悲嘆に暮れていると、客の雲游がやってきて「心配するな。無実を証明すればいいのだ」と力づける。かくして九歳の少女と不思議な力を持つ老人の探偵行が始まった。第三回ミステリーズ!新人賞受賞作「殺三狼」など、『水滸伝』時代の中国を舞台に軽快な筆致で描くミステリ連作集。
著者等紹介
秋梨惟喬[アキナシコレタカ]
1962年8月17日岐阜県生まれ。広島大学文学部史学科卒業。2006年、「殺三狼」で第三回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くっきー
3
面白かった!水滸伝未読のため中国名の読み方に慣れるのが大変かと思ったけど、気にしていたほどは気にならずにスラスラと読めた。現代とは違って殺人の仕方や解決方法も独特な感じはしたけれど、時代劇を観ているように楽しめてよかった。2012/05/10
竜王五代の人
2
短編3+中編1。法治や警察機構がしっかりしていない背景の世界なので、真相推理は大切だけどいかに場を収めるかに頭を絞らなければいけないのがらしい。銀牌は水戸黄門の印籠どころか、正義の味方証明書(火の粉かぶりまくり)?2023/02/04
Abercrombie
2
黄帝が游に託した破邪の銀牌を受け継ぐ武芸者たちの謎解き連作集。先日読んだ「老虎残夢」よりはましだけど、戦いはまったくなく、武侠ミステリとは云えないな。中編「悪銭滅身」なんて、燕青を主人公にする必要ある? 2021/12/16
クニーガ
2
読み進めるうち、題名と表紙よりずいぶん濃い中身に、選んで正解とにんまり。次が楽しみ。2011/08/27
non
1
24-14:老人師匠と少女公英の成長物語かと思ったら違った。不連続に、変装しながら片隅で。秀でた人の思考は面白く「この世のすべては様々な勢システムを成している」oui2024/01/19