イタリアン・シューズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010874
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ひとり島に住む元医師フレドリック。ある日彼のもとに、四十年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。治らぬ病に冒された彼女は、星空のもと森のなかに広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。だが、その旅が彼の人生をを思いがけない方向へと導いていく。〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉の著者が描く、孤独な男の希望と再生の物語。

内容説明

ひとり離れ小島に住む元医師フレドリック。ある日彼の元に、37年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。治らぬ病に冒された彼女は、白夜の空の下、森の中に広がる湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めにきたのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。だが、その旅が彼の人生を思いがけない方向へと導いていく―。“刑事ヴァランダー・シリーズ”の著者が描く、孤独な男の贖罪と再生、そして希望の物語。

著者等紹介

マンケル,ヘニング[マンケル,ヘニング] [Mankell,Henning]
1948年スウェーデン生まれ。作家、舞台監督、劇作家。“刑事ヴァランダー・シリーズ”の第1巻『殺人者の顔』でガラスの鍵賞を、第5巻『目くらましの道』でCWAのゴールドダガー、Svenska gummist¨ovlayでCWAのインターナショナルダガーを受賞。他に児童書やエッセイなども書いた、人気実力ともに北欧ナンバーワンの作家である。2015年没

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

372
刑事ヴァランダー・シリーズの続刊のつもりで購入したのだが、そうではないばかりか純文学といってよいジャンルの作品だった。スウェーデンの風土感に強く立脚するという点では共通するが、今回は群島の中の孤島が舞台である。物語は徹頭徹尾、寂寥感に覆われて展開する。また、もはや生ける屍と化しつつあったヴェリーンのところに、忘却の彼方からの使者がある日突然訪れるといった幕開きは静かな物語世界ではありつつも、いたって演劇的である。その日からの1年間の物語が展開してゆくのだが、いくつかの死が屈折点として影を落としてゆく。⇒2023/02/03

のぶ

106
とても心に染み入る作品だった。主人公はひとり島に住む元医師のフレドリック。そんな彼のもとに、40年近く前に捨てた恋人、ハリエットがやってくるところから物語は始まる。彼女は不治の病に侵されており、星空のもと森のなかに広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めて来た。それから二人の旅が始まるが、その途上で別れた後に起きたいろいろな事実が明かされる。美しい訳文で行間から文章にはない人生が滲み出ていて、それらを想像するだけで心を打たれる。マンケルの未訳の作品で、こんな美しい本が世に出た事が嬉しい。2019/05/11

はる

92
孤独な男の再生の物語。66歳の元医師フレドリックは、重大な医療ミスを犯したショックから小さな離島でたった1人で暮らしていた。だがある日、かつて自分が棄てた恋人の女性が島に現れたことから彼の人生は変わっていく……。けっして好感を持てる主人公ではないが、作者が自分自身を投影したような末期癌の女性との最後の日々に引き込まれる。彼の弱さも、女性の意地も、どこか私の共有する感情。スウェーデンの冬の、凛とした空気も物語の魅力になっている。2021/12/19

巨峰

79
この物語老境にはいったじいさんの夢物語といえばそれで終わっちゃうんだけど、それでも、一筋縄でいかないところがマンケルらしさがある。それから自分たちの社会の警鐘も強い。スウェーデンの社会は、日本のリベラルの人たちが言うほどいい社会とは読めないけど、でもこんな問題意識がある人が国を代表する作家だということはそれなりにいいんだろうなぁ。2019/09/08

夜長月🌙

78
世俗を離れフィンランドの孤島に一人住む元医師フレデリック。彼は孤独を選び、人生から降りたのですが止まった時計の針がまた動き始めます。北欧の海は冬の間、固く凍結しますが春には必ず生き返ります。37年前に捨てた恋人が訪ねてきて求めたのは深い森の奥にある湖への旅でした。それはきっかけに過ぎませんでした。彼の本当の人生が始まりました。もう一日も無為に過ごすことはできません。人生の再生の物語です。2021/01/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13604158
  • ご注意事項