政治の約束

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  • サイズ A5判/ページ数 278p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480863805
  • NDC分類 311.234
  • Cコード C0010

出版社内容情報

人間の複数性に内在する約束=未来とは。政治思想の変遷を考察し、絶滅戦争が現実となった現代の政治の意味に迫る。『全体主義の起原』以降の思索の全軌跡。

内容説明

哲学が政治を抑圧する。政治思想史の終わりを語り、絶滅戦争が現実化する時代に、新しい政治の始まりを展望する。『全体主義の起原』以降の思索の全軌跡。

目次

第1章 ソクラテス
第2章 政治思想の伝統
第3章 モンテスキューによる伝統の修正
第4章 ヘーゲルからマルクスへ
第5章 伝統の終焉
第6章 政治入門

著者等紹介

アレント,ハンナ[アレント,ハンナ][Arendt,Hannah]
1906年、ドイツのユダヤ人家庭に生まれる。マールブルク大学ではハイデガー、ハイデルベルク大学ではヤスパースのもとで、哲学を学ぶ。1933年、ナチスの迫害を逃れフランスへ、41年にはアメリカへ亡命。二〇世紀の全体主義と対峙し、新たに始める人間の奇跡的能力を信じて、真の自由を実現することを生涯の課題とした。1975年没

高橋勇夫[タカハシイサオ]
1953年、岩手県生まれ。東京大学英文科卒業。専修大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おおた

24
「政治入門」の章は全然入門じゃないくらい難物だけど読むべき。P.127「偏見は、私たちが、まさにそうした政治的観点からの振る舞いを知らない、あるいはまだ知らないという情況にはまり込んでいることを示唆しているのだ。」偏見を持っているのは仕方ないが、判断は偏見に囚われてはいけない。P.158「全体主義体制が意見の自由を抹殺するだけでは飽き足らず、あらゆる領域で人間の自発性を原理的に破壊しようとしたからなのだ。」多様性は自然だけじゃなく人間社会にも大切だという話。これらの裏付けについて一つ一つ解き明かしていく。2017/10/11

4
未刊行に終わったアレントの本の原稿をまとめた著作。『人間の条件』よりも彼女の政治についての考えが述べられているように思う。ギリシャ、ソクラテスから、プラトン、アリストテレス、ローマ、アウグスティヌス、モンテスキュー、ニーチェ、ヘーゲル、マルクスへと至る西欧哲学と政治の関係の変容、そして現代の世界の状況が論じられる。2016/09/20

HYdaniel

1
「政治の中心にあるのは、人間ではなく、世界に対する気遣いである」現代における危機は、私たちが他者に関与する判断の能力を行使することをやめ、人間の外部、人々の間にある「世界」への関心を失くしていることにある。「世界」からの後退(世界喪失)、人と人の間に生起する事象の衰退は、人間の生を暗闇の中に覆い隠し、個々人の絶対的差異が持つ意味を剥奪する。…本作では政治概念が現代的危機に至る、プラトン以来の歴史的経過を掘り下げている。まず読むならアレントのそもそもの問題意識が見える『人間の条件』のほうが良い。2012/04/08

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