わたしの城下町―天守閣からみえる戦後の日本

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  • サイズ B6判/ページ数 362p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480816535
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C0095

出版社内容情報

明治以降「無用の長物」となった城は、近代以降も人々の精神的なシンボルへと姿を変えて生き延びる。日本人の心の拠所である城から見える異色の日本の近現代史。

内容説明

戊辰戦争以降、攻防の要たるお城はその意味を失うかに見えた。が、どっこい死んだわけではない。新たな価値をにない、昭和・平成を生き続けている。ホンモノ、ニセモノ、現役、退役…、さまざまなお城から見えてくる日本の近・現代史。

目次

お濠端にて
宮城から球場へ
和気清麻呂が見守るもの
嗚呼忠臣楠木正成に見送られ
北面の武士たち
なごやかな町
お城が欲しい
遺品の有効期限
捕らぬ古ダヌキの皮算用
双子の城〔ほか〕

著者等紹介

木下直之[キノシタナオユキ]
1954年、静岡県浜松市生まれ。東京芸術大学大学院中退。兵庫県立近代美術館の学芸員をへて、現在、東京大学大学院教授(人文社会系研究科文化資源学研究室)。十九世紀の日本美術の研究を中心に、広く写真や建物や記念碑、祭礼や見世物や作り物など物質文化全般を対象として、それらを展示・存続、隠蔽・撤廃させる社会について考察を重ねてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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のの

2
今更読了。北から南までのお城他をめぐるお話。実際に訪れる行動力、縦横無尽な知識、洒脱(?)な語り口が木下先生。 お城って、今では観光ポイントが多いですが、無用にされた時代のことや民主主義の代弁とされた例、お城の時代をいかに「選択」しているかとか、無機な建物に人間がどんな意味を込めてきたかをがでてくるなぁと。2010/06/03

メルセ・ひすい

2
8-47 赤156 「ちくま」からの雑記 二十世紀後半に天守閣が全国各地で再建される。あるいは模造された なぜ! 分析自体おもしろいが・・・人を喰ったような文章も なかなか 戊辰戦争以降、攻防の要たるお城はその意味を失うかに見えた。だが、新たな価値を担い、昭和・平成を生き続けている…。ホンモノ、ニセモノ、現役、退役など、様々なお城から見えてくる日本の近・現代史。                      2007/05/21

めめんともり

1
武士の世が終わり、「城」が無用になった明治以降、特に戦後復興期に雨後の筍のごとく復元されたコンクリート製の天守閣を通じて見える歴史。とても切り口がユニークだ。人は「見上げるもの」を欲する。それは「富士山」だったり「東京タワー」だったり「天皇」だったりする。それがある時ある場所では「お城」だったのだ。それらは人々を結束させ勇気づけるが、逆にいえば束縛し排他的にもさせる。その力に自覚的でありたいと思った。2014/08/19

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