内容説明
光では見ることのできなかった遠方宇宙の姿を、高い解像度で映し出す電波望遠鏡群ＡＬＭＡ。物質進化や銀河系、太陽系、生命の起源に迫る壮大な国際天文プロジェクト。本邦初公開。
目次
序章 アンデスの巨大電波望遠鏡ＡＬＭＡ（ＡＬＭＡは何の略？；野辺山からＡＬＭＡへ）
第１章 電波で宇宙を見る（電波とは何か；宇宙からの電波はどのように発見されたか；光で見る宇宙、電波で見る宇宙）
第２章 日本の天文学の歩み（光の天文学から電波天文学へ；国際共同プロジェクトＡＬＭＡ）
第３章 ＡＬＭＡで何が見えるか（宇宙の夜明け―銀河の誕生；「第２の太陽系」を見る―惑星系誕生の瞬間をとらえる；生命の起源に迫る）
第４章 電波望遠鏡のしくみ（干渉計とは何か；ＡＬＭＡの観測装置）
著者等紹介
石黒正人［イシグロマサト］
１９４５年、岐阜県生まれ。名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了。理学博士。１９７０年、同大・空電研究所を経て、１９８０年、東大東京天文台（現・国立天文台）に移る。１９８８年から２００９年まで国立天文台教授。電波望遠鏡の技術開発と、太陽大気、星形成領域、銀河中心部などの観測的研究が専門（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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kinkin
75
ＡＬＭＡとは「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」の略ということ。アタカマは南米チリ北部にある標高５０００メートルの「アタカマ高地」のこと。直径１２メートルと７メートルのパラボラアンテナが８０台配置、何かの写真で見てなんともシュールな光景に興味を惹かれて読んだ。しかし宇宙については本でわかろうとしてもやっぱりわからないことばかり。宇宙を研究している人たちは自分の周りの世界とは別世界の人なのかもしれない。読んでゆくうちにわからない言葉に迷いながら読了もわからないことが増えただかだ。読み手が悪いきっと＾＾2018/08/25
onasu
9
電波望遠鏡という、今までスルーしていた代物が少～し分かった気になりました。(パラボラアンテナが望遠鏡、てのが文系脳には…) 宇宙の解明には、可視光線で見えないもの(光に反射しないもの)も欠かせないし、アンテナを数多く並べている意味も説いていただきました。 またして10年前の宇宙ものでしたが、少～し分かった気になれました。2023/02/27
卯月
2
2009年刊。光の望遠鏡はCCDで光子の数をカウントするが、電波望遠鏡は波として観測。ALMAは、チリ・アタカマ高地のパラボラアンテナ数十台で同時に受信した電波を干渉させる「電波干渉計」。新書で干渉計の原理、フーリエ変換や開口合成法をここまで説明するの凄い！ 日本がチリでのサブミリ波望遠鏡建設を最初に唱え、米欧も同意。しかし日本は予算がつくのが遅れ、米欧が先に正式協定、建設計画スタート。日本は後から参加、という立場になって今に至る。ALMAは2012年に正式運用開始。著者の名大空電研究所時代の話が面白い。2017/05/03
Uzundk
2
チリのアタカマ砂漠に作られた巨大な干渉計ALMA電波望遠鏡についての話。電波天文学が始まるまでの物語とその意義、そしてALMA建設プロジェクトのこぼれ話についてが語られている。特に特徴的なのは、ミリ波サブミリ波を観測するというもので、可視光域では遮られてしまうガスの向こうの星や、星が出来る直前と思われる冷たいガス...可視光では何も見えない領域の詳細を見る事が出来る。開口合成という手法によって実際のアンテナよりも大きなアンテナの開口=解像度を得ることが出来るのも特徴だ。ALMAの成果は国立天文台のサイトへ2015/05/13
もくもく
1
国立天文台のニュースで、アルマ電波望遠鏡の使用開始の話を見ていて・・・・なんと、これってアタカマ砂漠にあったんだ。南米のチリに建設してるってことは、知識として知ってはいたけど、今月ワタシのＦＢ友達の間で異常に有名になったあのアタカマ砂漠だったとは・・・・なぜかちょっとうれしいです。だいぶ以前に読んだ本だけど、引っ張り出してみました。 (^_^)2013/03/29
