内容説明
友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。人と人との距離感覚をみがいて、上手に“つながり”を築けるようになるための本。
目次
第1章 人は一人では生きられない?
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
第3章 共同性の幻想―なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
第5章 熱心さゆえの教育幻想
第6章 家族との関係と、大人になること
第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想
第8章 言葉によって自分を作り変える
著者等紹介
菅野仁[カンノヒトシ]
1960年宮城県仙台市生まれ。1989年東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得。東北大学文学部助手などを経て、1996年宮城教育大学教育学部助教授、2006年より同大学教授。専攻は社会学(社会学思想史・コミュニケーション論・地域社会論)。G.ジンメルやM.ヴェーバーなど古典社会学の現代的な読み直しをベースとし、「“自分の問題”として“社会”について考えるための知的技法の追究」をテーマに、考察を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきぽん
342
大人になってわかったことは、学校などから押し付けられていた「いい子の論理-みんな本当はいい子だから仲良くしなきゃならないとか、夢は諦めなければ叶うとか-が如何に現実離れした偽善的な論理だったか、ということだった。この本は、そういう、大人にならないとわからない、現実に立脚した処世術を、明快に書いている。何故人を殺してはならないかというようなことの答えも含めて。思春期の若者はもちろん、すべての世代の必読書。2018/10/21
やすらぎ🍀
336
高校時代。多感な時期に苦い経験があります。今でも教室形式の座席に座ると、嫌な記憶が蘇ります。あれから何年も過ぎているのに…。大袈裟かもしれないけれど、人生を左右してしまう学生時代。人との距離を感じて後手に回り、卒業まで悩み続ける。過ぎ去ればたった数年の出来事なのに…。戻りたくないけど無かったことにしたい。みんな忘れているはずなのに、私だけは覚えている。自分のことは自分しかわからない。でも自分さえもわからない。こうやってドツボにハマる。心の傷。上手くやりたいと思うほど悩みは深まる。傷は癒えても痕は残ります。2019/07/27
agtk
333
「こどもの日」記念。というわけではないが、本屋で見つけて読んでみた。「気の合わない人間、あまり自分が好ましいと思わない人間」と「並存」「共在」できることが大切、「ルール関係」と「フィーリング共有関係」を区別して考え、使い分けができるようになること、等等々、子どもたちに身に付けさせていく必要を改めて感じた。あ、大人もね。2018/05/05
naji
308
『分かり合えない』ということを理解する大切さが必要ですね。2018/06/09
つっちー
293
書店で平積みになっていたのが気になって手に取りました。 悪く言えば、非常に冷めた視点で、他者との付き合い方を考える必要があるというお話です。 多様な価値観が許容されるようになった現代では、全ての人と同じように仲良くというのは難しいでしょう。 学校に限らず、いじめのようなことが起こる背景に、ルール関係ではなくフィーリング共有関係の方が優先されているからというのは納得です。2019/02/05