ちくまプリマー新書
いのちはなぜ大切なのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 125p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480687685
  • NDC分類 114.3
  • Cコード C0295

内容説明

「いのちはなぜ大切なの?」この問いに答えはあるだろうか?子ども達が自分や人を傷つけないために、どんなケアが必要か?ホスピス医による、心にしみる「いのちの授業」。

目次

第1章 美しい話ばかりでは、いのちの大切さは伝えられない(「いのちの授業」を再点検してみる)
第2章 「死はこわいと思うのが正しい」のか?(「いのちの教育」には答えがない?;いのちの教育のための「認識論」 ほか)
第3章 傷つける原因は「苦しみ」である(「いのちの教育」のゴールは、人や自分を傷つけないこと;傷つけるのは、苦しみがあるから ほか)
第4章 人がおだやかでいられるための「三つの柱」(将来の夢;大切な人との関係 ほか)
第5章 苦しみをとり除き、自分を肯定するためには(very good(とてもよい)とgood enough(これでよい)
役に立つ ほか)
第6章 「ニヒリズム」は超えなければならない(人生に意味はない?;信念同士は対立する。だからほかに共有できるものを探す ほか)

著者等紹介

小澤竹俊[オザワタケトシ]
1963年東京生まれ。87年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。91年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。救命救急センター、農村医療に従事した後、94年より横浜甦生病院内科・ホスピス勤務、96年にはホスピス病棟長となる。2006年めぐみ在宅クリニックを開院、院長として現在に至る。「自分がホスピスで学んだことを伝えたい」との思いから、00年より休日を利用して小中学校を中心に「いのちの授業」を展開。一般向けの講演も数多く行い、「ホスピスマインドの伝道師」として精力的な活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

91
図書館 非日常の美しさは長くは続かない。分かります。コロナで日常がギタギタに破壊されましたからね。たしかに日常のよかった部分は再認識されましたが、いつ感染するかわからない・感染したら死ぬかもしれない・通り魔・失業etc陰の部分も嫌ほど味わいました。 同じ状態でいらいらしない方法。これも個人的にコロナ禍で認識させられましたね。私個人の場合「どれだけ不自由でも幸せだと感じる感じないという自由はあるんだ」と認識しました。 ちなみに本書のラストあたりでニヒリズムを超えられないものは時々人を攻撃する。通り魔…。2022/03/13

パフちゃん@かのん変更

90
いのちはなぜ大切か。その答えは人によって違う。きれいごとでは済まされない。子ども達に自分や他人の命を大切にしてもらいたいし、傷つけてほしくない。でも傷つけてしまうのは背景に苦しみがあるから。苦しみとは「希望していることと現実に開きがあること」人がおだやかでいられる為の3つの柱は時間の柱(将来の夢),関係の柱(大切な人との関係)、自律の柱(自分の自由)。一番重要なのは「自分が大切な人間である」と思えること。親に虐待されたり、友達にいじめられたり、会社をリストラされたり、自尊感情を持ち続けることは難しい。2016/03/17

へくとぱすかる

84
「いのちは大切」と、力説することが必ずしも最善とはならない。終末医療に携わる著者が、仕事のなかで知ったことであるが、いのちの大切さを教えようとする学校の先生なら、出鼻をくじかれるように感じるだろう。しかし、たとえば苦しみを抱える生徒に、金科玉条のように教えても、言葉が空転するか、余計に苦しみが増すかもしれない。答えのない問題の難しさと、著者自身も考えこんだ軌跡が書かれていく。人の心に何が必要なのか、心を支えるには、どういう考えが有効か、ヴァリエーションに満ちた問題に、大きく方向を考えるヒントをくれる本。2021/01/14

モリー

68
例えば、地球が太陽の周りを回っているのか、それとも地球の周りを太陽が回っているのか?といった自然科学の問いには正解があります。一方、「いのちはなぜ大切なのか」という問いに答えはありません。形而上の問題だからと著者は言います。「命の大切さ」には理由があるという前提で考え、行き詰った経験はありませんか。私にはあります。この行き詰まりを乗り越え、《命を大切にするにはどうすればよいのか?》と考え続ける事こそ大切なのだと気づかされました。2020/08/18

タルシル📖ヨムノスキー

28
この本はとっても、というか、このテーマはとっても難しいです。中高生向けの本だからといって、簡単に理解できるかというと、そうでもないです。通勤とか、なにかの片手間にではなく、きちんと真剣に向き合わないといけない本だと感じました。とりあえずキーワードとして一番心に残ったのは、〝very goodだけでなくgood enough〟。今までの人生、たしかにvery goodを目指して驀進してきた気がする。仕事も家庭も。だからか…。ちょっと時間をおいて、じっくり、ゆっくり読んでみたい一冊でした。2019/05/16

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