出版社内容情報
統合失調症とは、苛酷な現実から自己を守ろうとする決死の努力である。患者の世界に寄り添い、反精神医学の旗手となったレインの主著、改訳版。
R.D.レイン[レイン]
天野 衛[アマノ マモル]
内容説明
世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。
目次
1(人間科学の実存主義的‐現象学的基礎;精神病の理解のための実存主義的‐現象学的基礎;存在論的不安定)
2(肉化された自己と肉化されざる自己;統合失調気質における内的自己;偽自己‐体系;自意識;ピーターの場合)
3(精神病への進展;統合失調症における自己および偽りの自己;廃園の亡霊・慢性統合失調症の研究)
著者等紹介
レイン,R.D.[レイン,R.D.] [Laing,Ronald David]
1927‐89年。イギリスの精神科医・精神分析家。グラスゴー大学医学部卒業。軍医等を経て、ロンドンのタヴィストック・クリニックに勤務。ウィニコットに精神分析を受け、精神分析家としての活動も開始する。伝統的な精神医学を批判し、反精神医学運動を提唱、1965年には、その理念に則ったキングズリー・ホールを開設し、独自の精神療法を実践した
天野衛[アマノマモル]
1940年生まれ。東京大学大学院哲学科中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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