ちくま学芸文庫<br> 引き裂かれた自己―狂気の現象学

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ちくま学芸文庫
引き裂かれた自己―狂気の現象学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480097699
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0110

出版社内容情報

統合失調症とは、苛酷な現実から自己を守ろうとする決死の努力である。患者の世界に寄り添い、反精神医学の旗手となったレインの主著、改訳版。

R.D.レイン[レイン]

天野 衛[アマノ マモル]

内容説明

世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。

目次

1(人間科学の実存主義的‐現象学的基礎;精神病の理解のための実存主義的‐現象学的基礎;存在論的不安定)
2(肉化された自己と肉化されざる自己;統合失調気質における内的自己;偽自己‐体系;自意識;ピーターの場合)
3(精神病への進展;統合失調症における自己および偽りの自己;廃園の亡霊・慢性統合失調症の研究)

著者等紹介

レイン,R.D.[レイン,R.D.] [Laing,Ronald David]
1927‐89年。イギリスの精神科医・精神分析家。グラスゴー大学医学部卒業。軍医等を経て、ロンドンのタヴィストック・クリニックに勤務。ウィニコットに精神分析を受け、精神分析家としての活動も開始する。伝統的な精神医学を批判し、反精神医学運動を提唱、1965年には、その理念に則ったキングズリー・ホールを開設し、独自の精神療法を実践した

天野衛[アマノマモル]
1940年生まれ。東京大学大学院哲学科中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

87
DCコミック『ウォッチメン』でレイン氏の『結ぼれ』が小さいが印象的な場面で登場していたので、図書館で見つけたこの本を読むことにしました。レイン氏が25歳で本書を書いたという事に驚くしかない。統合失調症を重点に置いていますが、彼らの絶望に耐えうる方法は「正常」と言われる人間も多かれ、少なかれ、取っており、今も昔も全く、変わっていない所に気づく。相手からの無視や無価値化を先取りして防衛する石化、自分のトラウマと抑圧の原因になった人物の嫌な部分を誇張することで自分を通じて間接的に人にその人物を非難させる方法は、2017/05/24

踊る猫

39
ここに自分自身が「ある」。それはこの生身の肉体を伴う、確固とした実存の実感をもたらす……はずのものである。だが、その肝心の「実感」がありありと感じられないほど「自分・自己」が遠く感じられる。そんな病理について、きわめて微細にレインは分析を試みる。ぼく自身過去に自分がどこにいるのかわからなくなるほど頭でっかちに物事を考え、自意識の純度を上げようと試みたことがあるのでいきおい患者側の心理に感情移入してしまう。レインはそうした患者たちをなんとかして理解しようとする。その親身な態度に裏打ちされた分析はなお読ませる2024/01/22

燃えつきた棒

35
以前読んだラカンの本に比べると、嘘のように読みやすくて、分かりやすい。 カフカやサルトルの「存在と無」などの文章が引用されており、とても親しみが持てた。 狂気(特に統合失調症)およびそこに至る過程を了解可能にするという目的で書かれたもので、レインの統合失調症観の基底となっているのは、実存主義及び現象学である。 2019/01/10

さえきかずひこ

16
1960年に発表された本書には毀誉褒貶があったはずだ。何しろ著者は具体的な臨床例を引きながら、実存主義的・現象学的方法で、統合失調症気質や重篤な統合失調症を内在的に分析するのだから。しかし時代遅れーとくに患者の家族関係の重視ーだとか、反医学的ー非客観的ーだとかいう当然の批判をもってしても、レインが真摯かつ徹底的に吟味した文章が切迫感をもってせまってきて止まない。読者は胸ぐらを掴まれたような気持ちでぐいぐいと読まされ、とくに第3部に入った頃にはそっと息を殺しながらもページを繰る指を止められないだろう。傑作。2020/02/11

プロムナード

12
統合失調の分析なのに、コミュ障なこの心の内を言い当てられたように読めてしまいます。何より、客観的分析じゃなく「その人にとっての真実」を探ろうという著者のスタンスは、世界に居場所を感じられないワタシ達にとってとても優しい。エヴァがらみもあって、この本がサブカル方面とやけに親和性があるのも、オタやサブカルの自分事として解釈できる余地が大きすぎるからですよねきっと。これはある種の誤読なんだと思いますが、胸に刺さるのに違いはありません。2018/01/13

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