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ちくま学芸文庫
ドイツ観念論とは何か―カント、フィヒテ、ヘルダーリンを中心として

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480094933
  • NDC分類 134.3
  • Cコード C0110

出版社内容情報

ドイツ観念論は「疾風怒濤」の時代を担った様々な思想家たちとの交流から生まれたものだった。その実情を探り、カント以後の形而上学の可能性を問う。

内容説明

カントに始まるドイツ観念論は、哲学を学ぶには避けて通ることのできない一大潮流である。その思想はいかにして生まれたのか、そして今いかなるアクチュアリティをもつのか?本書は通常「ドイツ観念論の立役者たち」と見なされるフィヒテ、シェリング、ヘーゲルのみならず、ヤコービ、ラインホルト、そしてヘルダーリンらにも光を当て、さまざまな思想家・詩人たちの交流の中からドイツ観念論が生まれ育ってきた過程を辿る。

目次

ドイツ観念論とその評価
カントの存在論
カントの存在論の検証
カントの自由論
カントの美の哲学
ヤコービのカント批判とスピノザ論
ラインホルトの根元哲学とシュルツェのラインホルト批判
フィヒテの知識学の成立
『全知識学の基礎』
シェリングにおける主観的観念論から客観的観念論への転換
ヘルダー、シラー、ヘルダーリンの歴史と美の哲学
ヘルダーリンとヘーゲルの合一哲学
ヘーゲルの哲学大系の形成

著者等紹介

久保陽一[クボヨウイチ]
1943年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。現在、駒澤大学教授。文学博士。専門はドイツ観念論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

6
ニーチェもマルクスも実証主義もハーバーマスもポストモダニズムも思想の主流は悉くドイツ観念論を批判する時代にあって、ジジェクのように馬鹿笑いしながら読めるおもしろ解説におもねることなく堅実に紹介。単線的な歴史ストーリーに切り縮めないで諸思想家の絡み合った思考を細かく見ていくてんこ盛りの論述に、ヤコービ、ラインホルト、シュルツェ、ヘルダー、シラー、ヘルダーリンだけでは飽き足らずロマン主義まで網羅してほしいと要求するのは無茶。関係性の形而上学としてカントを読み直すなど独自の試みもあって、堅実な割に意外と意欲的。2014/07/23

左手爆弾

5
概説書ではあるが、入門書ではない。筆者が冒頭で述べるように、一般的なドイツ観念論のイメージにとらわれず、個々の哲学者の具体的な主張を拾おうとした結果、情報量は多いし、文章も複雑になってしまっている。それは丁寧な仕事ではある。しかし、初学者には流れを追うのが難しい。もちろん、カントの提出した問題に対していかなる解答を与えるかが焦点だったことは明快にわかる。とはいえ、カントの理性の哲学が、次第に宗教や美、社会変革といったドイツの特殊事情に呑みこまれてラディカル化していく様子が今ひとつ掴みきれなかった。2017/01/02

こたろー

5
良著良著良著。こういう本を読みたかった。2012/12/29

田蛙澄

2
とてもいい本だったが、奈何せんやはりドイツ観念論は難しい。特にフィヒテ以降の絶対自我や絶対者、無限性や存在、世界精神といった概念が交互規定や根源性とともに人間と自然や実践的自我と理論的自我といった関係性の統合として出てくるわけだけど、それでどうして統合されたと言えるのかがよくわからない。カントの判断力批判の時点で美による道徳性と自然の統合というモチーフは無理がある感じがする。かなり論理学的な所に力点があるせいで現実とのつながりが分かりにくかったというのもあるが。でもシュルツェまではとても参考になった。2016/12/20

代理

0
カントも読まずに、これを読んだ俺がバカだった。なので理解できるところだけを虫食い的に楽しんでしまった。2016/11/05

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