ちくま学芸文庫<br> 行動する仏教―法然・親鸞の教えを受けつぐ

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ちくま学芸文庫
行動する仏教―法然・親鸞の教えを受けつぐ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480093967
  • NDC分類 180.4
  • Cコード C0115

出版社内容情報

戦争、貧富の差、放射能の恐怖……。このどうしようもない世の中ででも、絶望せずに生きてゆける、21世紀にふさわしい新たな仏教の提案。

内容説明

従来の仏教は、生きる上での「苦」の原因を、前世からの因縁や個人の心の奥底に巣食う強烈な自我に求めてきた。しかし、戦争で命を落としたり原発事故の被害に遭うことは、個人の過去や心のありように原因があるのだろうか。そうではなく、政治や社会構造に問題があるのではないか。ならばその苦の原因を取り除く行動を、いまや仏教は起こさなければならない。「すべての衆生を救わずにはいられない」という仏教徒の第一の使命に立ち返り、法然・親鸞によって確立された浄土仏教を受け継ぎながら、その教えの中味を現代的な形に作り変える。行動する仏教=エンゲイジド・ブッディズムの意欲作。

目次

第1章 「絶望」と「無関心」の正体(なぜ「絶望」が生まれるのか;「無関心」 ほか)
第2章 「有限」に立ち向かう(「凡夫」という人間観;「宿業」 ほか)
第3章 「エゴ」を転換する(転換の条件;「横川法語」 ほか)
第4章 時代と向き合う(近代の足かせ;「完全な立脚地」 ほか)
第5章 「末世」のただなかで(「末世」の様相;仏教の「末世」 ほか)

著者等紹介

阿満利麿[アマトシマロ]
1939年生まれ。京都大学教育学部卒業後、NHK入局。社会教養部チーフ・ディレクター、明治学院大学国際学部教授を経て、明治学院大学名誉教授、同人誌「連続無窮」主宰。専門は日本精神史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

10
放射能は、怒りの表象なのかもしれない。封じ込められない格差社会。無関心apathyの語源は、ギリシャ語のApatheia=苦しみを受けないことに由来する。苦しみに向かい合うと自己の基盤が崩れるように思う(019頁)。こだわりすぎると見えなくなることを自戒させられる(020頁)。死刑制度を廃止した国家は少ない(026頁)。おそらく性悪説で人間を見ているからだろう。著者は死刑に反対する。私は無期懲役を選択肢として与えていいとも思う。難しいが。サルボダヤ運動は野田真里先生を想起。六道輪廻(110頁)。苦を絶つ。2013/08/21

Kano Ts

3
現実的な仏教の実践方を提示してくれる本。宗教って日本に限らず変に仰々しい存在になってしまったね。人を救うための存在じゃなくて、まずは存続すること(一部の団体は大きくなり利益を得ること)が目的になってしまった。大乗仏教の考え方を現代に合う形で教えてくれます。2023/07/27

ラーメン小池

1
名著との評価が高いとのことで一読。仏教や親鸞の教えというより、現代社会における絶望や無関心の正体などを、現代日本の社会現象や米国での経験などから解き明かすことから話が始まる。著者はNHKディレクターの後、大学で教鞭をとった経歴を持ち、純粋な宗教家というわけではない。このためか、文章が読みやすい。また文章の格調が高く、本質について鋭く説いていると感じる。かなり乱暴にまとめると、絶望や不安、無関心などはエゴから生まれるということを解き明かし、心の平安を得るには自分の内面に入りこむだけではなく、2014/06/10

Riko

1
身内の書いた文章が引用されているということで送られて来た本。 これって対象読者はどんなもんなんだろう…?と首をひねりつつ読了。2011/09/18

りん

0
仏教とは何かっていうそもそものところがわかる本2017/06/10

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