ちくま新書
自由に生きるとはどういうことか―戦後日本社会編

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063939
  • NDC分類 309.1
  • Cコード C0230

内容説明

敗戦により、まったく不自由から解放された日本。しかし、人びとの間にはいまだに「閉塞感」が蔓延している。では、いったい日本人は、「自由」という言葉にどんな理想を託してきたのか。「自由に生きる」ことは、いかにして可能なのだろうか。敗戦直後のエロス繚乱、あしたのジョー、尾崎豊、エヴァンゲリオン、そして格差社会…私たちの鮮烈な時代経験を素材に、本書では「生き方」の問題を考え抜く。かくも「生きづらい」社会のなかで自由を求めつづける術を問う、清新な「自由論」。

目次

第1章 連合国軍に学べ―敗戦直後の自由論
第2章 ロビンソン・クルーソーに学べ―一九四〇‐六〇年代の自由論
第3章 真っ白な灰に燃え尽きろ―一九六〇年代後半の自由論
第4章 この支配から卒業せよ―一九七〇‐八〇年代の自由論
第5章 ぼくはぼくを好きになれそうだ―一九九〇年代の自由論
第6章 最高のトレッキングシューズを買え―二一世紀の自由論

著者等紹介

橋本努[ハシモトツトム]
1967年東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科課程博士号取得。北海道大学大学院経済学研究科准教授。専攻は経済思想、政治哲学、社会理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆう。

26
著者は正当にも最後に「自由に生きる」という問は「自由な社会はいかにして可能か」という制度の問題と結びついていると指摘する。しかし、私たちは不自由にしか生きることができず自由をあれこれと「空想」するのであり、それが制度変革へと結びつくとする。では自由とは何か?残念ながら本著を読んでいても僕には理解できなかった。自由を求め続けた若者像を様々な社会現状から描き出し、自由の意味を問うているのだと思うが、もう少し丁寧な分析がほしかった。空想ではなく科学的に自由を描きたいと僕は思う。2017/06/01

脳疣沼

2
いやぁ、エヴァンゲリオンってこういう話だったのか、と感動した(笑)昔、友達から借りて観たが、今初めて意味を理解しました汗。エヴァの読み解き部分が本書で一番輝いている。2016/07/24

さえきかずひこ

2
突っ込みどころとうなづけるところがいい具合にミックスされている戦略的(?)な一冊。例えば第5章のエヴァンゲリオンとオウム真理教という2つの現象をグノーシスを通して考えるのは、文系学生の卒論の参考になりそうな丁寧な構成と、適度な強引さがある。また、第6章の前半は「情緒消費」というタームなどに広告代理店のプレゼンテーション資料のような感じが漂い鼻白むが、後半の「潜在能力イデオロギー」についての指摘は鋭い。若者向け商業文化(いわゆる" サブカル")を社会や時代と結びつけて語りたい若者は読むべし。2009/01/31

孤独な読書人

1
戦後の各時代状況によって自由の意味が違うことに面白さを感じた。また誰から、何から自由になるかということも各時代によって違うんだなと思った。2011/08/06

keepfine

0
著者は戦後日本社会の煩雑な文化を整理するのだが、私が感じたのは、50~80年代の文化に比べ、我々が享受する「ゼロ年代」の文化はやはりニッチであるなと。「どうせ社会なんて変えられない」「どうせ非モテ」みたいなとシニシズムが蔓延してることもその原因なのかと思うが。(そういえば、村上春樹はシニシズムを蔓延させたってだれか言ってたな。)前にも書いたけど、総オタク化、総サブカル化で、文化全体見渡しても「島宇宙化した動員ゲーム」状態なのだな。(2009.06.18) 2009/06/23

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