筑摩選書
書のスタイル 文のスタイル

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015877
  • NDC分類 816
  • Cコード C0371

出版社内容情報

日本語の構造と文体はいかにして成立したのか。東アジアのスタイルの原型である中国文体の変遷から日本固有の文体形成史をたどり、日本文化の根源を解き明かす。

内容説明

日本人の生き方や日本文化の特異なスタイルを生みだす根源にあるものはなにか。それはかなの発明により独特の発展を遂げた日本語の構造にある。本書では甲骨文の誕生から王羲之による書の革命を経た東アジアのスタイルの起源と歴史を踏まえ、万葉歌から近代文体の達成を見た日本国憲法前文にいたるまで重層的に発展した日本における書と文のスタイルの変遷をたどりながら、その要点を明快に説きあかす。

目次

第1章 文体(スタイル)とはなにか(文体とはなにか―文体と書体;日本の文体と東アジアの文体;日本の文体と西欧の文体)
第2章 日本の文体(スタイル)の形成史(中国の文体;日本の文体;日本の文体―近世・近代の文体)
第3章 文体(スタイル)の現在(現在の文体・世界の文体)

著者等紹介

石川九楊[イシカワキュウヨウ]
1945年福井県越前市生まれ。京都大学法学部卒業。書家・批評家。『書の終焉』(同朋社出版)でサントリー学芸賞、『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、『近代書史』(名古屋大学出版会)で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

良さん

0
書くことの研究を、文→文字→点画→筆触にまで微分し究めた筆者が、今度は文、文体から文化へと思考をインテグレートする。日本文化論に新たな光を投げかけた書。 【心に残った言葉】すべての基本は人間が何かを考え、決断した時に筆記具の尖端が紙に接触する感覚に発する。(20頁)これまで、語られてきた「日本文化論」は漢字、カタカナ、ひらがなの三文字のスタイルの分裂と統一の現れという観点から言い尽くせるように思う。(313頁)2015/01/19

yagian

0
書家ならではの指摘もある。ヨーロッパは音声中心主義であり、中華圏は文字中心主義だということはよく言われるが、それを具体的な「書」にもとづいて解説する部分はなるほどと思わせる。また、宋から「亡命」してきた禅僧の日本の政治・文化への影響が十分語られていない、という指摘にも納得させられる(その他、首をかしげる指摘も多いけれど)。2014/03/23

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