出版社内容情報
芸術作品や自伝の考察から教育の根本原理を明らかにしようとした試み。教育・自己形成と文化との「忘れられた連関」を想起させる手法を導入し、教育学に大きな影響を与えたモレンハウアーの主著。
まえがき
第一章 教育的領野における相互行為と組織
1 組織化された相互行為とその基本形態
2 制度レベルで組織化された相互行為
3 「交通形態」のレベルで組織によって規定された相互行為
第二章 未知の領域を探検する――一五世紀イタリア・ルネサンス絵画の陶冶論的解釈
はじめに
1 解釈対象への注釈
2 いくつかの形式的特徴の記述と解釈
3 イコノグラフィーへ
4 意味構造とハビトゥス
あとがき
第三章 教育時間の近代的観念の成立について
1 デューラー
2 エラスムス
3 学校規程
4 貧民規程
第四章 検分された肉体――レンブラントの解剖画とそれにかかわるいくつかの問題
1 歴史的状況
2 レンブラントの二枚の絵画
3 確実に結論できることと推測に基づき結論できること
第五章 教育解釈学への注釈
1 問題への接近
2 シュライアマッハーの構想
3 ラカンを参照する
4 解釈学的な判断と知
結び
第6章 初期ロマン派の教育学者 F.D.シュライアマッハー
1 断章
2 社交
3 羞恥心
結び
第7章 ヨーロッパ教育学の経由地
1 貨幣経済と都市文化
2 自由思想と大産業
3 民主主義と正義
4 現代の状況について――コミュニケーションと環境世界
引用・参考文献
初出一覧
モレンハウアー『回り道』への方法論的コメンタール 真壁宏幹
――教育学的図像解釈はいかにして可能か
0 はじめに
1 なぜ図像解釈なのか?
2 図像解釈の前提としての一般解釈学
3 図像解釈の特殊性
4 教育学的図像解釈へ
5 おわりに
あとがき ハンス=リューディガー・ミュラー
訳者あとがき 真壁宏幹
内容説明
次世代に伝えていかねばならないものとは何か。文学や図像を考察することから人間形成の深層に迫り、教育という営みの根本原理を明らかにしようとする。教育・自己形成と文化の間にある「忘れられた連関」を想起させるという一見迂遠な手法を導入し、教育学の考察対象や研究方法に大きな影響を与えたモレンハウアーの主著。
目次
第1章 教育的領野における相互行為と組織
第2章 未知の領域を探検する―一五世紀イタリア・ルネサンス絵画の陶冶論的解釈
第3章 教育時間の近代的観念の成立について
第4章 実見された肉体―レンブラントの解剖画とそれにかかわるいくつかの問題
第5章 教育解釈学への注釈
第6章 初期ロマン派の教育学者F.D.シュライアマハー
第7章 ヨーロッパ教育学の経由地
著者等紹介
モレンハウアー,クラウス[モレンハウアー,クラウス][Mollenhauer,Klaus]
1928年ベルリンに生まれる。1958年ゲッティンゲン大学にてDr.Phil.取得。ゲッティンゲン大学社会科学部教育学ゼミナールの教授を長年務める。1998年没
眞壁宏幹[マカベヒロモト]
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻博士課程単位取得退学。慶應義塾大学文学部教授
今井康雄[イマイヤスオ]
1955年生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院教育学研究科教授。1982‐84年、モレンハウアーのもとで学ぶ。教育学博士
野平慎二[ノビラシンジ]
1964年生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。富山大学人間発達科学部教授。教育学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。