子どもの本と“食”―物語の新しい食べ方

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784472403408
  • NDC分類 909.04
  • Cコード C0090

内容説明

ピーターラビット、ぐりとぐら、砂の妖精、小公女、秘密の花園…ル=グウィン、モーパーゴ、ベジタリアンのドラゴン、そして卵の味は?児童文学を“食”で斬る!物語の本質に迫る画期的論稿。

目次

はじめに “食”と子どもの本のおいしい/危険な関係
1 絵本と幼年文学を食べる(「お皿洗いを手伝っていただける?」―絵本に描かれた“食”;みんなで食べると楽しいね―幼年文学と“食”の関係 ほか)
2 古典をもう一度味わう(『砂の妖精』における“食”の役割―ファンタジーと現実のはざま;空腹の少女たち、満腹の子どもたち―『小公女』と『秘密の花園』における“食”の意味 ほか)
3 児童文学の新しい調理法(魔法使いの食卓と大地に根ざすモモの木―“食”から読む“アースシー”シリーズ;コンデンスミルクの魔法の力―M.モーパーゴの物語技法としての“食” ほか)
おわりに 新たな始まりへ

著者等紹介

川端有子[カワバタアリコ]
関西学院大学博士課程単位取得満期退学、サリー大学ローハンプトンで博士号取得、愛知県立大学外国語学部助教授。英語圏の児童文学、19世紀のイギリス文学と文化を研究している

西村醇子[ニシムラジュンコ]
白百合女子大学・玉川大学ほか非常勤講師、英文学と英語圏児童文学を専攻し、評論・研究・翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もけうに

3
電子図書館。思った以上に興味深い内容。特に前半部が面白い。[食べ物を与える][与えられる] 共に食す。 食による支配。論文の中に出てくる児童文学も読んでみたい。2021/07/02

まりこ

0
子どもの本における「食」に焦点を当て、8人が様々な角度から考察する。なぜ魅力的な食べ物が登場する日本の読み物は少ないのか?と思っていたが、本書に〈日本は家父長制のなごりが強く、食事は「しつけ」の場として重んじられてきた〉、また、1960年代以前は〈露骨な食欲は忌むべきもの〉という精神文化だったとある。他に、ドラゴンのベジタリアン化、〈食〉から読む〈アースシー〉シリーズなど、それぞれに興味深い。日本の子どもの本が食べ物で賑わうのは、食卓が西洋化され、一家団欒が実現した戦後だったとはねぇ。2016/05/18

相良

0
児童文学に食べ物が題材にされるようになったのは実は意外と歴史が浅い~とか、知らなかったこととか気付かずに読んでいたことに改めて注目するきっかけになった!それぞれ取り上げた作品から例を引いて紹介してあったので、知らない作品についても楽しく読めた。「コンデンスミルクの魔法の力」でまとめてあった、物語技法についての食が特に面白かった!2015/04/17

よっちん

0
(図書館)2012/06/17

りか

0
「食」を中心として児童文学の分析を行った本。食が何を意味しているのか、レトリックとしての食について行われた研究を紹介している。懐かしい本や知らなかった名作に出会えるという楽しみ方もできるし、児童文学への考察を深める機会となった。2011/04/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/597341
  • ご注意事項