出版社内容情報
20世紀の発明品11点を取り上げ、発明された経緯や背景、また、人々がそれらにどのようなイメージを投影してきたかを検証する。
内容説明
ショッピングカート、回転寿司、カーナビなどの出現が何を変えたのか。それら20世紀の科学技術に裏打ちされた発明は、その便利さもさることながら、都市型大衆消費生活の中で形成されたイメージによっても普及し、社会のあり方や人々の意識まで変えていったのである。そこでは、便利さと速さがより快適な生活を約束する一方で、ヒトの身体感覚やかつての共同体の絆は減衰していった。埋もれた資料に光を当て、20世紀の暮らしの光と影を目から鱗の考察で縦横にえぐった、ユニークな現代文化誌。
目次
第1部 便利のメカニズム―新しい暮らしの作法(ランチよ止まれ!君は美しい―給仕ベルトコンベヤー;労働と遊戯の弁証法―回転寿司;物神崇拝の聖地巡礼―ショッピングカート;相互浸透のメカニズム―自動ドア;善悪の彼岸―リモコン操縦;突然の不条理―花粉症グッズ)
第2部 空間処理の仕組み―世界と私の位置関係(境界侵犯の使徒―パーキングメーター;走る遊牧民―ドライブイン;酔いどれ犯科帖―アルコール検出器;道端の教室―スクールバス;ベルリンはどっちだ―カーナビ(1)
自分だけの地図―カーナビ(2))
著者等紹介
原克[ハラカツミ]
早稲田大学教育学部教授。1954年長野県生まれ。立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。神戸大学国際文化学部、立教大学文学部を経て現職。2001~2002年、ベルリン・フンボルト大学客員研究員。専門は表象文化論、ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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