出版社内容情報
日本の古代歌謡には様々なものがあり古典文学として今日につたえられている。その中の梁塵秘抄、催馬楽、神楽歌から選んで、子どもたちにもわかるように原典を解説し、それを新しく今風に「再創造」。これは古代歌謡変奏の歌である。
Ⅰ かわいい子を 『神楽歌(かぐらうた)』より(かわいい子を、なげいたコオロギ)
Ⅱ カエルとミミズ 『催馬楽(さいばら)』より(タカの子、老いねずみ、ほか五編)
Ⅲ わかあゆ 今様歌(いまよううた)『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』より(ふえのはまべ、あそびこそいのち、ほか十一編)
日本のとおいむかしの歌である古代歌謡(こだいかよう)にはさまざまなものがあり、古典文学として今日につたえられています。ところが、そうした歌の曲調(きょくちょう)は残念ながらよくわかりませんので、現在に演奏されることはありません。また、本になっている古典文学全集などをひらいてみても、子どもでは、それを読みこなして理解することがたいへんです。
でも、このままでは、もったいないはなしです。せめて子どもたちにもわかる内容の歌を選びだして、読みやすく、わかりやすく、今の歌におきかえられないものか。そうすれば古典に親しみをもってもらえるし、古典もほこりをかぶらずにすみます。
そこでわたしは、選びだした歌の一字一句を忠実になぞりながらの「現代語訳」ではなく、その歌の核(かく)になっているものを大事にしながら、新しく今風(いまふう)に「再創造(さいそうぞう)」してみようとしました。わたしの古代歌謡変奏(こだいかようへんそう)の歌です。ことばにも古典のにおいがのこっているようにと、つとめたりしました。
とりあげた古典は、神を招(まね)いてともに楽しむ『神楽歌(かぐらうた)』、民謡を宮中(きゅうちゅう)の雅楽(ががく)に取り込んだ『催馬楽(さいばら)』、および、その時代にはやった今様歌(いまよううた)の『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』ですが、豊穣(ほうじょう)祈願(きがん)と性(せい)の結びつき、大人の愛、この世の苦しみなどを背景にした歌がほとんどなのに、当時からすでに子どもも歌ったであろう、きらきらとした純(じゅん)な作品もちりばめられているのです。その歌に隠(かく)されている寓意(ぐうい)や裏の意味などを、ことさらに考えなくとも味わえるたのしさがあります。
一編ごとに、もとになる歌がどんなものなのか原典(げんてん)もかかげて、すこしばかりの解説をつけました。
古代歌謡は古典文学として今日につたえられていますが、本になっている古典文学全集などをひらいてみても、子どもでは、それを読みこなして理解することが困難です。でも、このままでは、もったいないはなしです。せめて子どもたちにもわかる内容の歌を選びだして、読みやすく、わかりやすく、今の歌におきかえられないものか・・・。著者は、古代詩のエッセンスを取り出して、あらたな作品として再創造することを試みました。その結果、なつかしく哀しく美しい詩が誕生しました。市川曜子さんのユニークなカットが詩を引き立たせています。
内容説明
日本のとおいむかしの歌である古代歌謡にはさまざまなものがあり、古典文学として今日につたえられています。そのなかの梁塵秘抄、催馬楽、神楽歌から選んで、子どもたちにもわかるように原典を解説し、それを新しく今風に「再創造」しました。これは古代歌謡変奏の歌です。
目次
1 かわいい子を―『神楽歌』より(かわいい子を;なげいたコオロギ)
2 カエルとミミズ―『催馬楽』より(タカの子;老いねずみ;うめにうぐいす ほか)
3 わかあゆ―今様歌『梁塵秘抄』より(ふえのはまべ;はまのなみ;あそびこそいのち ほか)
著者等紹介
桜井信夫[サクライノブオ]
1931年東京に生まれる。国学院大学国文科卒業。日本文藝家協会、日本民話の会会員。少年長編叙事詩『ハテルマ シキナ』(かど創房、第二九回赤い鳥文学賞・第三九回日本児童文学者協会賞・第三回三越左千夫少年詩賞特別賞受賞)や、ノンフィクション、創作、絵本など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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猫森