内容説明
台風や大雪、地震に見舞われながらも、日本の鉄道は世界に冠たる安全性と定時性を誇ってきました。明治の初めから脈々と続く日本の鉄道防災について、第一線で活躍してきた実務技術者が解説します。
目次
第1章 気象、地震の影響とその評価
第2章 国鉄における防災業務の変遷
第3章 運転規制ルールの基礎概念
第4章 雨と列車運行
第5章 地震と列車運行
第6章 風と列車運行
第7章 鉄道の雪氷害とその対策
第8章 鉄道林:その機能と施業
著者等紹介
島村誠[シマムラマコト]
1954年大阪府生まれ。1978年東京大学農学部林学科卒業・日本国有鉄道入社。1987年JR東日本東京構造物検査センター所長。1991年マサチューセッツ工科大学(MIT)研究員。2006年JR東日本防災研究所長。2013年東京大学大学院工学系研究科特任教授。2016年国立研究開発法人防災科学技術研究所気象災害軽減イノベーションセンター長。博士(工学)。技術士(建設部門)。土木学会フェロー・特別上級技術者(防災)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こばこ
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防災というと多肢に渡るが、対象を鉄道について絞って、詳細に書かれたもの。戦前~戦後にかけて事後の処置から事前の処置(防災)にマインドが変わり、その事前の処置について段階を踏んで、徐々に歩みを進めて行く様がありありとわかり、非常に読みごたえがあった。現在~未来の鉄道防災は、という部分については記載が弱く少し残念だったが、この過去の記載だけでかなり価値がある。2020/01/31
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国鉄~JRの鉄道防災実務の変遷と内容が詳しく紹介された良著。特に鉄道林はその存在すら知らず、たいへん勉強になった。さすが元国鉄技術者だけあり、国鉄施設局土木課の組織的挙動がよく紹介されているのが独自の内容の一つだと感じられた。ただ、その成果は必ずしもすべてがJRに正しく継承されたわけではないようだ。本書で惜しむべき点は、ボリュームがやや少ないこと。筆者があとがきで述べている通り、現在~将来にかけての問題提起等にまで踏み込んでほしかった。2018/08/10