出版社内容情報
家紋に託された日本人のこころを、豊富な図版を通して美しく観賞しながら、同時に私たち自身の家系や出自をわくわくして探れる一冊。
家紋は、日本人の暮らしとは切っても切り離せない「文化遺産」である。
冠婚葬祭だけに限らず、私たちの家系を示し、また祖先とつながる証でもある。
千古不易の光芒を放つ家紋は、実に1000年以上の時によって磨かれ、守られ、受け継がれてきた。
とりわけ江戸時代には、その装飾美が競われ、端整優美な洗練の花を咲かせた。
また家紋は、日本だけに留まらず、ルイ・ヴィトンの柄ともなっているように、普遍的な様式美と独創的なパターンを誇り、まさに世界的な文化遺産といえる。本書では、総数3150紋を紹介し、その中には多くの秘紋・珍紋も多数紹介し、家紋の奥深い世界を垣間見ることができる。
また、付録として日本の100大姓と家紋の故事来歴を紹介し、見応えのものとなっている。
目次
解説
自然現象紋?天地万象の「光芒一閃」
植物紋 I?中国伝来 覇者の風格
植物紋 II?
植物紋 III?「百花繚乱」の美とかたち?草葉 流麗なる美意識
動物紋?吉祥・瑞祥、長寿への願い
尚武紋?武勇
戦勝の縁起
器物紋・建造物紋?暮らしとともに生き続ける風流
文字紋・文様紋?紋章となった文字・文様
日本の100大姓の家紋と故事来歴
索引
【著者紹介】
伊藤 みろ:写真家/美学家/アーティスト。アートとドキュメンタリー、クロスメディアアートまでジャンルを越えた領域で、ドイツ、アメリカ、日本を中心に、世界の写真文化の第一線で活動。日本の精神文化をテーマにした写真や映像を世界の美術館・図書館、大学や研究機関に寄贈するプロジェクト「メディアアートリーグ」を推進。著書に『魅せる写真術』(MdNコーポレーション)、『極意で学ぶ写真ごころ』(フィルムアート社)がある。
内容説明
家紋を通して、日本の伝統を支えてきた文化の「秘話中の秘話」を紹介。日本における家紋の起源を「天寿国繍帳」(7世紀、中宮寺蔵、国宝)に求め、飛鳥・奈良時代に遡り、その伝統美の系譜を辿りながら、家紋について語る。後半の付録では、日本の約120姓氏の由来について、解説した。代表的な家紋から、稀少とされる紋、由来の伝えられない紋、紋形の失われてしまった幻の紋まで、約3000点(紋の種類300種)を掲載。
目次
第1章 自然天象紋―天地万象の神話と信仰
第2章 植物紋1―中国伝来帝の象徴君子の風格
第3章 植物紋2―「百花繚乱」の美の系譜
第4章 植物紋3―草花、その流麗なる装飾美
第5章 動物紋―霊獣・霊鳥に託された吉祥・瑞祥
第6章 宗教紋―神の徴、宇宙の根源を宿す
第7章 武紋―魔を破る武の道を求めて
第8章 器財紋・建造紋・標紋―暮らしとともに生き続ける風流
第9章 文様の紋章―文字・幾何学文から、易・香まで
付録 日本の120姓氏
著者等紹介
伊藤みろ[イトウミロ]
美術研究家・著述家、アーティスト、文化芸術プロデューサー。ドイツで写真アーティスト、批評家として活動後、ニューヨークに移住。アートからドキュメンタリー、クロスメディアアートまで、ジャンルを越えて、世界の第一線で活動。慶應義塾大学(美学美術史学専攻)を卒業後、ドイツ国立ルール大学にて芸術哲学を、国立エッセン大学コミュニケーションデザイン学部にて写真と応用美術を学ぶ。ドイツ・ジャーナリスト連盟会員(1989‐2001)、日本写真協会会員、NYアートディレクターズクラブ会員、日本写真芸術学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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