内容説明
本書は、ラカンの精神分析の理論を年来の友であったドルトが示したような実践的かつ臨床的な水準で具体化する一つの試みである。ラカンの精神分析は、理論は比較的知られているが、実践の部分はこれまであまり明らかにされてこなかった。著者は、ミレールの講義(セミネール)を基にした考察を通して、ラカン派の技法や後期を含めたラカンの思想体系の概要を提示しており、本書は、ラカン派精神分析の臨床実践の入門書となっている。
目次
第1章 序論―目的と導入
第2章 三項関係および二項関係における分析症例
第3章 ラカン第一臨床あるいは同一化の臨床
第4章 ラカン第二臨床あるいは幻想の臨床
第5章 分析的経験の前面に位置する沈黙
第6章 共時的なものとして存在する二つの臨床形態
第7章 治癒に向けて反覆として機能する幻想
第8章 ラカン派のオリエンテーション