出版社内容情報
圧倒的な量と速度で消費される作品群に真摯に向き合い、新たな研究手法の導入を試みる気鋭の研究者らによる最新の成果。
内容説明
1990年代以後、ハリウッド映画はその製作と受容形態において深甚なる変化を引き起こしている。はたして、それらの映画に対し従来の方法論のみで分析することは可能なのか。圧倒的量と速度で消費される作品群に真摯に向き合い、新たな研究手法の導入を試みるとともに、“映画”との遭遇が呼び起こす豊かな経験に寄り添う、気鋭研究者らによる最新の成果。
目次
第1章 経験の救出―「パニック映画」としての『ワールド・トレード・センター』
第2章 映画への回帰―『マイノリティ・リポート』再考
第3章 デジタル時代の柔らかい肌―『スパイダーマン』シリーズに見るCGと身体
第4章 新しい身体と場所―映画史における『ロード・オブ・ザ・リング』三部作
第5章 キャメラの背後のイエロー・フェイス―『ブロークバック・マウンテン』における神話の打破と再生
第6章 「リメイク」映画とは何か―ガス・ヴァン・サント『サイコ』を中心に
付論 ホモエロティシズムを丸見えのまま隠す―デジタル・クローゼットとしてのDVD版『ファイト・クラブ』
著者等紹介
藤井仁子[フジイジンシ]
1973年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学文学学術院専任講師。映画学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
68
とっつきやすそうな映画本を探していて借りる。1990年代から0年代のハリウッド映画の評論を集めたもの。日本人の学者たちが書いたものだが、それほど難解ではない。なによりも取り上げられている映画が馴染みのあるものばかり。「マイノリティリポート」「スパイダーマン」「ロード・オブ・ザ・リング」「ブローバック・マウンテン」「ファイトクラブ」など。映画史的に90年代以降のハリウッド映画はどう位置づけされるのか、CGなどの映像技術の進化の影響などについて。素人にも分かりやすい内容で、ブックガイドがあり参考にする。2018/06/04
のれん
7
積読消化。 映画を所謂当時の国政に当てはめる、つまりはアメリカを映画を通して見てみるという内容。 ただこの手合いは調査することで映画そのものから逸脱したり、一部だけをフォーカスすることが多い。 ファイトクラブの話は理解はできるのだが別にデヴィット・フィンチャーはペニスサブリミナルしたいだけじゃなかったと思うのだが…… 映画批評や制作ネタではないが、変わった視点で映画を見るなぁと思う。2018/06/20
TOMYTOMY
2
入門の入門2019/01/27
numainu
2
評価C2016/09/18
Chisa
0
最近のハリウッド映画に言及しているので親しみやすい。こういう本が増えてほしい!2016/04/24