脳を創る読書―なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか

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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784408109077
  • NDC分類 019
  • Cコード C0036

内容説明

電子書籍化が進む今こそ、問う。『言語脳科学』の第一人者が真に「考える」ためのツールを検証する。

目次

1 読書は脳の想像力を高める(活字は脳で音に変換されて、言語野へと送られる;活字は圧倒的に情報量が少ない ほか)
2 脳の特性と不思議を知る(あらゆる言語は共通する性質を持っている;「再帰性」は脳が創造する力のもとになる ほか)
3 書く力・読む力はどうすれば鍛えられるのか(言語は音声が先で、後から文字が生まれた;日本語が「難しい言語」といわれるのは誤解 ほか)
4 紙の本と電子書籍は何がどう違うか(なぜ画面上で見落とした誤字が紙の上では見つかるのか;避けられない電子化の時代に電子書籍をどう扱うか ほか)
5 紙の本と電子書籍の使い分けが大切(「電子化」で脳が進化することなど、ありえない;二つの読み方を使い分ければ、「読む力」は鍛えられる ほか)

著者等紹介

酒井邦嘉[サカイクニヨシ]
1964年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)後、同大医学部第一生理学教室助手、ハーバード大学医学部リサーチフェロー、マサチューセッツ工科大学客員研究員を経て、1997年より東京大学大学院総合文化研究科助教授・准教授。2002年第56回毎日出版文化賞、2005年第19回塚原仲晃記念賞受賞。専門は、言語脳科学および脳機能イメージング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

145
電子読書と従来の紙の読書についての論評です。それぞれについて一長一短があるとのことで、それぞれの場合に応じて読みなさいということで何が何でも紙の方をすすめるということはしていません。今後にどのような結果が出てくるのか、ということで現在があまりわからないのではないかと思われます。私は紙でないとだめな方で、メモ的なことを書いたり線を引っ張ったりマーカーを使用したり付箋紙を張ったりするので、電子はだめなのです。2016/03/05

しょーた

78
電子書籍が普及してきた昨今、それでも紙の本がなぜ必要か?について、読書の大切さと共に、電子書籍と本の利点を踏まえながら論じている。結論は、紙の本と電子書籍の良さをそれぞれ享受すべき、という意見に落ち着く。本来の趣旨とは多少ずれたトピックも多く、章のまとまりがイマイチだったのが傷だが、光る主張もあった。「読書では、本の限られた情報をもとに自分で考え、想像を巡らせ、思索に耽ることこそが極上の楽しみである。現代人の多くは、同じ時間を情報の検索に費やそうとし、考える前に情報の世界を貪欲に渉猟しようとしている。」2014/02/25

morinokazedayori

59
★★★★著者は、言語脳科学と脳機能イメージングを専門とする脳生理学者。読書をしている時の脳のメカニズムや、紙の本と電子書籍の比較を通して、紙の本がいかに言語能力や想像力を鍛えるか、またその結果、記憶力やコミュニケーション能力など諸能力が高まるか、そのプロセスを解説している。娯楽としての読書もよいものだが、いかにして脳を鍛えてくれるのかを論理的に理解でき、すっきりした。2016/06/09

hundredpink

55
電子書籍があかん理由はそれが出版社による図書館潰しだからです。100%電子書籍になったら少なくとも今の形態の図書館は自動消滅する。2018/11/22

Willie the Wildcat

43
5感と脳。文字に親しむことが想像力を育み、創造力となる。振り返ると、他人の視野・考察が読メの楽しみの1つでもあるなぁ。読書と会話が、語彙力と表現力の源泉。故に、個々人がTPOに応じた様々な媒体の活用が、文字に接する機会を広げる。副題への解が主観的なのに少し安堵。(笑)学生時代に、書いて、読んで、頭で描いた日々を思い出すなぁ・・・。 2014/04/22

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