内容説明
安倍政権が生み出し続ける日本の独特な実態!子ども・若者・女性・高齢者の各層、住居や生活保護分野の状況などを具体的に分析!
目次
1 若年・未婚・低所得層の住宅事情調査から見えてきたもの
2 若者と貧困―格差社会の中で絶望的な孤立の中で生きる若者たち
3 増え続ける貧困高齢者―その原因とメカニズム
4 支援の現場から見えてきた高齢者の貧困
5 子どもの貧困を考えるうえで大切なこと
6 子どもの貧困と学習支援―その意義と限界
7 高卒女性の一二年をとおして見えてきたもの―若い女性の不安定と貧困、そして明日
8 歴史のなかで生活保護の意義を考える
9 生活扶助基準引き下げの問題点
10 安倍政権の一億総活躍社会の欺瞞と「恐怖政治」―困難を社会全体でひきうける社会をつくる民主主義を
著者等紹介
稲葉剛[イナバツヨシ]
1969年生まれ。認定NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事・立教大学特任准教授
青砥恭[アオトヤスシ]
1948年生まれ。さいたまユースサポートネット代表・明治大学講師(兼任)
唐鎌直義[カラカマナオヨシ]
1952年生まれ。立命館大学教授
藤田孝典[フジタタカノリ]
1982年生まれ。NPOほっとプラス代表理事・聖学院大学客員准教授
松本伊智朗[マツモトイチロウ]
1959年生まれ。北海道大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
27
安倍政権が生み出し続けている格差と貧困の問題に対して、子ども・若者・女性・高齢者や居住・生活保護など、多面的に論じられた本です。貧困問題でここまで多面的に論じられた本は貴重だと思います。子どもの貧困問題は、貧困問題そのものがベースにあるという指摘がされています。貧困に対して民主主義の力の重要性も指摘されており、特に声を出せる人だけではなく、まだ声を出せず沈黙のなかに閉じ込められて置き去りにされている困難も、社会に明るみに出してみんなで解決していくことが重要という指摘には、なるほどぉと思いました。2016/05/22
たまきら
26
社会って、もっと助け合えないんだろうかー悩ましい現実がリアルに紹介されていて、特に高卒女性の章は辛かったです。自分が生き延びるのがやっとの女性たちが、子供を何人も産むことなどできない。サポートの重要性を現場は強く感じているのだろうなあ。 2020/05/25
サワ
6
深刻化する格差や貧困。社会全体で、政府と国民がそれぞれの出来ることを進めていく必要があるのでしょうね。様々なデータ、批判的な立場からの考えが知れました。 安倍政権が悪いと一貫していますけど…過去の政権も同じように、課題山積で頭を抱えた問題だったのでは?2020/07/13
まゆまゆ
6
現代社会にある格差と貧困の実態を老人、現役、子どもの大きく3つの視点から浮かびあげていく内容。現役の格差は派遣法改正による正規社員と非正規社員の格差であると断罪し、老人は社会ではなく家族に扶養の拠り所を求めようとする。子どもは貧困であること事態が問題である。いずれも社会保障制度の変革がもたらした結果であるとして、現金に限らない何らかの公的扶助の必要性を訴える。2016/06/14
りうかん
2
財源不足を補うために、足りない分は取りやすいところから取っていくという政策を続けた結果、未来への投資(この本でいうところでは子供の貧困対策)はないがしろになってしまっている現状がよくわかる。自己責任云々は要は弱い人から取っていくための口実、今の時代、自分だけは大丈夫なんてありえない。2017/05/14