内容説明
最晩年の私がたどりついた場所。90歳を迎えた著者の最新エッセイ集。人間の本質を軽やかに描き出す珠玉の21編。
目次
夫が死んで四ヵ月ほど経った或る日
夫のへそくり
小さくて、汚い耳
白い仔を抱き上げながら
特別なことはしてはならない
秀才であろうと、鈍才であろうと
猫と鼠
血統書付き
ノラ根性
人間とは不自由な生き物〔ほか〕
著者等紹介
曽野綾子[ソノアヤコ]
1931年、東京生まれ。54年、聖心女子大学英文科卒業。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、恩賜賞・日本藝術院賞を受賞。97年、海外邦人宣教者活動援助後援会代表として吉川英治文化賞ならびに読売国際協力賞を受賞。98年、財界賞特別賞を受賞。2012年、菊池寛賞を授与される。1995年12月から2005年6月まで日本財団会長を務める。2012年まで海外邦人宣教者活動援助後援会代表。2009年10月から2013年6月まで日本郵政株式会社社外取締役を務める。日本藝術院会員。日本文藝家協会会員。ベストセラー多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャッピー
20
夫を亡くした後、猫と暮らす日々に思ったことを綴ったエッセイ。あとがきも無く、フッと終わってしまった。2023/03/18
あや
18
90歳になられた曽野綾子さん。曽野綾子さんのご著書はアンソロジー的なものを除いてほとんどお金を出して新刊を買って読んでいるくらいのファンですが、目新しいことと言えば、お小さい頃お金持ちのお母さまが三十代になってからの一人娘さんだったので、なんでもお手伝いさんがやってくれたのでとても依頼心の強いお子さんであったということ。お母様がそれではいけないと家事のお手伝いをやらせて解消したということ。あとは二匹のねこ様との楽しい日常が綴られています。ねこ様を飼ったことがある方には楽しく読めるのではないでしょうか。2022/02/12
eipero25
8
心が弱った時には曽野綾子先生に助けてもらっています。ちょっとした言葉が心に刺さり、なんてつまんないことで悩んでいたんだろうと前を向かせてくださる。今回はそういう求道の書じゃなくて飼い猫のお話がほとんどでした。野良犬猫を引き取るべきだとの批判の手紙も来たそうで、あたしもそれは思っていたことでした。曽野さんがなぜペットショップのスコさんを2匹飼うようになったのかが理解できてスッキリ。2023/09/04
chisarunn
8
作家の方のエッセイなどはほとんど読まないのだが、この方のはたまに読む。若い頃はけっこう何冊も読んだ。小説は数えるほどしか読んでないのに。なぜかというとこのオトコマエな考え方や物言いがカッコイイからです。自分は猫を飼ったことはないけれど、猫の話も面白いです。それだけなんだよ~。2022/10/01
miya
4
タイトルに惹かれて。老後の心構えかと思っていたら飼っている猫の話だった。夫の死後、抽斗から見つけた夫のヘソクリで買った直助。猫は二匹以上がいいと言われ買った雪。どちらも衝動買い。この猫たちが可愛くて仕方ないというのがよくわかる。スコティッシュフォールドってどこにでもいるような外見だろうか?とちょっと疑問。かなり可愛いからその辺には絶対にいないと思うんだけども。ペットショップで買ったことに異議を唱える人に『私は「いいことをするために」猫を迎えたのではない。』というのが潔い。2022/09/04