内容説明
路地はクルマの通れない、「劣った道路」ではない。歴史の中で、巧みにデザインされてきた生活空間である。ところが、道路の論理で一刀両断され、4m以上の幅をもつ道路にすることが求められてきた。本書は、路地というシステムが、歴史的に形づくられてきた生活空間づくりの仕組みであることを明らかにし、さらに、豊富な実例を通して、路地を起点とするこれからの都市・まちづくりを示す。
目次
1章 まち路地再生のデザインの思想と方法(道路と路地的空間を比べる;路地は道路ではない;路地がまちの記憶をつなぐ;江戸から東京まで路地をたどる;路地を計画する)
2章 討論=まち路地再生へ(路地的空間をまちへどう展開するか)
3章 実例=まち路地再生のデザイン(都市型ミニ戸建て住宅地の可能性;歴史から見た銀座における路地再生;路地的空間を組み込んだ集合住宅;生活文化とアーバニティをもつドイツの路地;路地を持続・継承するまちづくりへの転換)
著者等紹介
宇杉和夫[ウスギカズオ]
1946年埼玉県生まれ。1975年日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。日本大学理工学部建築学科助手を経て、日本大学准教授、西安交通大学客員教授、博士(工学)。日本建築学会サスティナブルエリアデザインとコミュニティアーキテクト特別研究委員会委員長
青木仁[アオキヒトシ]
1952年東京都生まれ。1978年東京大学工学部建築学科修士課程修了。建設省(現国土交通省)、世界銀行、都市基盤整備公団等勤務を経て、現在、東京電力技術開発研究所主席研究員
井関和朗[イセキカズロウ]
1951年京都府生まれ。1975年早稲田大学理工学部建築学科卒業。日本住宅公団、住宅・都市整備公団、都市基盤整備公団を経て、現在、都市再生機構東京都心支社勤務。東雲キャナルコート、ハートアイランド新田などの設計に関わる。2006年から東京理科大学大学院非常勤講師
岡本哲志[オカモトサトシ]
1952年東京都生まれ。法政大学工学部建築学科卒業。1984年岡本哲志都市建築研究所を設立。2009年9月から法政大学サステイナビリティ研究教育機構リサーチ・アドミニストレーターA現職。博士(工学)。専門は都市形成史、都市論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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