出版社内容情報
奈良の出自から王朝文化の最盛期をへて、現代に至るまでの来歴をたどりつつ、その魅力を余すところなく語る。
内容説明
実際の「舞人」の視点から、雅楽の伝来、花開く平安王朝文化の隆盛、そして、現在に至るまでの来歴を語りつつ、知られざる雅楽の全貌を示す注目の書。
目次
第1章 悠久の大地に生まれた天平の調べ(雅楽の伝来は葬送行進曲;伎楽という仮面舞踏劇 ほか)
第2章 王朝文化と雅楽ルネッサンス(いっそう深まる雅楽伝習;平安貴族の音楽的素養 ほか)
第3章 花開く雅楽―宮廷行事の雅な調べと舞(王朝の正月行事と雅楽;神前に奉る雅楽 ほか)
第4章 守り継がれる王朝の調べ(次世代への雅楽伝承;華麗なる舞楽装束 ほか)
著者等紹介
鳥居本幸代[トリイモトユキヨ]
1953年生まれ。同志社女子大学家政学部卒業。京都女子大学大学院修了、家政学修士。神戸女子短期大学助教授・姫路短期大学助教授・姫路工業大学環境人間学部助教授を経て、京都ノートルダム女子大学人間文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
14
雅楽の由来、歴史などを学術的に解説。雅楽、つまり日本の宮廷音楽が最も活発だったのは、王朝文化が花開いた平安時代。祭礼の一環としてだけではなく、娯楽としても当時の貴族に愛されたのが本書を読むとよく分かる。「歌って踊れて弾ける貴族」は男女問わず、憧れの的だったようだ。雅楽を広く捉えたら、様々なものがあるようだが、今でも人気の高いのは『蘭陵王』などの舞楽だろう。これはルーツを辿ると中国だけでなく、様々な国や地域の音楽がミックスされたものらしい。舞楽は日本固有の音楽というより、案外インターナショナルな音楽なのだ。2021/10/28