考える耳―記憶の場、批評の眼

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  • サイズ B6判/ページ数 154p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393935101
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C0070

出版社内容情報

昨今の政治・経済・社会の動きの中で、音楽文化のありようを論じたアクチュアルな現代批評論。

内容説明

超「音楽時評」。しなやかな研究の視座。音楽は歴史の中で生成・変容する…音楽文化時代を読む。

目次

原語上演か、訳詞上演か―「本格」という概念をめぐって
音楽が政治に関わるとき―国策協力という名の日常
「信仰モード」にご用心―「モーツァルト神話」とファシズム
音楽と集団的記憶
「校歌」の背景―国民音楽が意味したもの
常識とウソ―歴史観のゆらぎ
「標準」は変容してゆく
伝統のつくられ方―「ニューイヤー・コンサート」の虚実
都市の記憶、文化の記憶
正真正銘というイデオロギー〔ほか〕

著者等紹介

渡辺裕[ワタナベヒロシ]
1953年、千葉県生まれ。83年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(美学芸術学)単位取得退学。東京大学助手、玉川大学専任講師、大阪大学助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授(美学芸術学・文化資源学)。著書に『聴衆の誕生』(1989年、春秋社、サントリー学芸賞)、『日本文化モダン・ラプソディ』(2002年、春秋社、芸術選奨文部科学大臣新人賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Roko

2
音楽をどう演奏するのかは基本的に自由です。カバー曲の方を先に聞いてしまっていて、オリジナルを変だと感じる場合もあります。この本で紹介されていたのは、グレン・グールドが演奏したバッハの曲を子供のころによく聞いていたという人が、他の人が演奏するバッハの曲を聞くと、何か物足りないという気持ちになってしまうというのです。音楽は演奏する人と共にどんどん変わっていくものなのです。そこに伝統とか様式とかを持ち出す人は、実は音楽を理解できていない人なのかもしれません。2018/07/28

chokujin

0
新聞コラムを集めたもの。2005年前後なので少し古い世評もあるが、音楽関連の情報には面白いものがある。音楽学の教授なので、専門分野ならではの薀蓄話もあり、2,3興味をそそる楽器奏法の歴史に関する新知識を得ることができた。舘野泉さんの左手の演奏を評したコラムは気に入った。2013/01/14

Figaro

0
クラシック音楽を聴くとき、当たり前と思っていたことが実は政治や経済の波にのまれ、ある意味「捏造」されたことも多々あることが興味深い。たとえば、ショパンコンクールは、200年にわたり周辺諸国に支配された長い冬を終えたポーランド人がショパンという「偉人」を発見したことによるナショナリズムの結晶であること。ウィーン・フィルのニュイヤーコンサートは、意外に歴史は浅く、1940年に始まったこと。また、その創始の経緯が、ナチスのオーストリア併合に抗するかたちで「ウィーンの伝統」という形で、あの独特のデフォルメされたワ2009/01/25

unterwelt

0
2007年刊行。音楽を補助線にして社会について語る音楽時評というコンセプトはいいと思うのですが、モーツァルトのイメージ(神話)批判のオチが紋切型の与党批判だったりするので、これなら社会時評部分は無かった方が良かったのではと思ってしまいました。2018/04/11

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