内容説明
不確かな日々のなかで、私たちはいっそう「夫婦」になっていく。夫の人生に、「不意の客」が訪れた。とまどい、右往左往…。けれど、そこから、とぎすまされた毎日が始まる。介護する人、される人、年輪を重ねたすべての人に贈る、心打つ伴走の記。
目次
まえがき―人生の折り返し点で
病気を二人で支える
「病気になったらおしまい」なんて、冗談じゃない!
子どもに頼る、頼らない?
再出発のための環境を整える
車椅子でニューヨークへ行こう!
人手を借りる決断―介護保険制度の現実
介護する者の胸のうち
在宅介護を支える人手とお金
いま、病院で何が起こっているか〔ほか〕
著者等紹介
高見澤たか子[タカミザワタカコ]
東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。ノンフィクション作家。明治・大正期の特異な人物の伝記を執筆。また、高齢社会や家族の問題をテーマにした作品も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chii
3
夫の定年後、2人だけの生活を楽しもうとした矢先、夫がパーキンソン病に侵されていた・・・訪問介護、入院生活、看取りのこと、妻としての想いが描かれたお話。介護保険制度の事が詳しく書かれていました。病気の人の心は案外健康なものだって書いてあるけど、それは違うんじゃないかな?自分の周りには打ちひしがれて、クヨクヨしている人がいなかったとも書いてある。読んでて、あ~この人は、自分がその時を迎えた時に、きっとわかるんだろうなぁ~って思いました。介護していたのに、こんなことを言うとは思わなかった。悲しくなりました。2010/02/27
kamakama
2
4年も前に一度読んでいたことにまったく気づかなかったとは、なんたる不覚。きっと、以前はまだまだ他人事だったからなのだと思う。今回は、いずれは自分にも起こるであろう、近い将来の出来事として読めてしまった。老いは避けられない現実だけど、どんな事が起こってもなんとか乗り越えたいとは思う。でも、今の福祉行政の後退はその気持ちを萎えさせる。どうなるのだろうか。怖くなってしまった。2016/07/12