「里山」を宮崎駿で読み直す―森と人は共生できるのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393444191
  • NDC分類 654
  • Cコード C0095

出版社内容情報

自然豊かな里山は地方を救済する場として機能するのか。山や森は誰のものなのか。人と自然の関係の本質を宮崎アニメを通じて探る。今、地方創生の鍵語としてももてはやされ、のどかで自然豊かな理想郷として捉えられる里山は、本当に日本を救済するのか。
宮崎駿作品をひもとき、里山を、人と自然が交わる境界として、また文明のゴミが侵入する場、エネルギー消費の場としても捉え直したときに、その本質が見えてくる。自然回帰やノスタルジーにとどまらない里山の現代的意義を問い直す。

小野 俊太郎[オノシュンタロウ]
1959年、札幌生まれ。東京都立大学卒業後、成城大学大学院博士課程中途退学。文芸・文化評論家。成蹊大学、青山学院大学などで教鞭をとる。
著書に『モスラの精神史』(講談社現代新書)、『〈男らしさ〉の神話』(講談社選書メチエ)、『大魔神の精神史』(角川oneテーマ21新書)、『ゴジラの精神史』『スター・ウォーズの精神史』『フランケンシュタインの精神史』『ウルトラQの精神史』(以上、彩流社)、『社会が惚れた男たち』(河出書房新社)、『日経小説で読む戦後日本』(ちくま新書)、『『東京物語』と日本人』(松柏社)、『未来を覗く H・G・ウェルズ』(勉誠出版)など多数。

内容説明

人の営みと不可分のゴミやエネルギー問題を抜きに持続可能な社会は語れない。ぽ『となりのトトロ』など宮崎駿作品をひもとき、自然賛歌やノスタルジーにとどまらない里山の現代的意義を問い直す。里山神話の虚構を暴く。

目次

序章 再発見された里山
第1章 文明のゴミと小国主義―『風の谷のナウシカ』
第2章 里山神話の形成―『となりのトトロ』1
第3章 怪異との同居―『となりのトトロ』2
第4章 里山と人間のあり方―『もののけ姫』1
第5章 山や森は誰のものなのか―『もののけ姫』2
第6章 里山から里海へ―『崖の上のポニョ』

著者等紹介

小野俊太郎[オノシュンタロウ]
1959年、札幌生まれ。東京都立大学卒業後、成城大学大学院博士課程中途退学。文芸・文化評論家。成蹊大学、青山学院大学などで教鞭をとる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykshzk(虎猫図案房)

25
主にトトロやもののけ姫、ナウシカを題材に里山と人との関係、ポニョで里海と人との関係を紐解く。自然と人間との境界線は宮崎アニメを見ていて考えさせられるもの。そしてその大前提として、そもそも全体としての自然に人間を含むべきか否かという問題も。間違いなく、特に産業革命以降は、人間は自然と対立する生き物になり、他の動植物と同じく自然の一部ですとは言いづらい。飛行機で空を飛べても鳥にはなれない。宮崎アニメのおさらいにもなり、そういうことだったのか、という発見もある本。2024/03/27

ぴょこたん

9
「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「もののけ姫」「崖の上のポニョ」を材料に、里山・里海を語ったもの。映画に込められた表面には現れない監督の思想が知れて興味深い。とくに歴史好きの私としては「もののけ姫」のくだりが楽しめた。2016/12/12

えふのらん

1
宮崎諸作品を人間と自然との触れ合い……ではなく自然と工業の闘争史として読み解いた批評。トトロの塚森を彷徨ったメイにはじめて、たたらによる環境破壊、工業の末路として風の谷と次々に連関を見出していく加速感が楽しい。正直、ジブリ作品は苦手なので、このように勢力争いとして読み替えてもらえるのは非常に助かる。2020/07/01

やま

1
講習の準備。2018/08/09

トヨカチ

1
読む価値なし2017/03/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11203390
  • ご注意事項