寄る辺なき時代の希望―人は死ぬのになぜ生きるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393444153
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

人は必ず死んでしまうのに、なぜ生きるのでしょうか。そんな一読者からの問いに、田口ランディが真摯に応えようと、共感共苦・悪戦苦闘。「老い」「ベテルの家」「チェルノブイリ」「水俣」などに、一筋の「光明」を追い求める、著者渾身のノンフィクション。

内容説明

「人は必ず、死んでしまうのに、なぜ生きるのか」―そんな一読者のメールから、すべてが始まった。一筋の光明を求めて、さすらいの旅路に出た「私」が掴んだものとは。著者渾身のノンフィクション。

目次

序章 人はなぜ、必ず死ぬのに生きるのですか?
第1章 老いという希望
第2章 べてるの家という希望
第3章 核の時代の希望
第4章 水俣という希望
終章 死の向こう側へ

著者等紹介

田口ランディ[タグチランディ]
1959年東京生まれ。作家・エッセイスト。人間の心の問題をテーマに幅広く執筆活動を展開。代表作に『コンセント』『アンテナ』『モザイク』(いずれも幻冬舎)。2001年に『できればムカつかずに生きたい』(晶文社)で第一回婦人公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

35
田口ランディは名前だけは知っていたものの、著書を読むのは初めて。「人間はいつか死ぬのに、生きる意味はあるのか?」という読者からのメールに答えるために、田口ランディは様々な場へと出かけて行き、そこで感じ、考える。スウェーデンの認知症専門施設へ、浦河べてるの家へ、ベラルーシのブジシチェ村(チェルノブイリ原発事故後に放射能汚染にあった)へ、そして水俣へと旅をし、現地の人々と語らい交流する。その合間に、自分の認知症の母のこと、ひきこもりで餓死にいたった兄のこと、所属していた劇団のリーダーKのことが語られる。2023/03/31

ただぞぅ

13
「人は死ぬのになぜ生きるのか」その答えを探す旅物語。困った時は旅へ出る。旅好きにはたまらない一冊。訪ね先は認知症や精神障害者施設、公害病都市など様々。しかも国内に留まらず、福祉や原発問題にも触れている。特に福祉先進国であるスウェーデンの実態には驚愕。ケア技術はさほど変わらない。だが「そこまでするか」というくらいの徹底ぶり。まるで「枯れ木を豪華な温室にいれ24時間付きっきりで面倒みる」のようだ。訪れた先で家族との時間を回想する日々。そして生きることは、季節を感じ大きな自然の一部となり生かされることに気付く。2023/10/08

バーベナ

5
知らない、分らない、ということを素直に認めるのは勇気がいる。でも、田口さんにはその勇気がある。そこから始まる旅の面白さが、ぐぐ~っと自分の闇に届く。理解できないのではなく、自分をつくってきた枠組みを守りたいから、理解をしたくないだけなのだ。ベテルの家、水俣、ベラルーシの放射能汚染。人とであって、知り合い、忘れられて。そうしたらもう一度、何度でも出会えば良い。何か大切なことを気づけた気がする。とりあえずは、それが何なのかははっきりさせないで、もやもやしつづけよう。2013/10/10

マンゴー

3
人間が上ではなく、全ての生命への賛辞。あらゆるものに魂が宿っていることに畏敬をもち、祈る事。全ての人が自分は唯一無二の存在であることを自覚し、自分の弱さも表現する。認める。人間としての権利は与えるものでも授かるものでもない。この緻密で精妙な世界にはたましいというコンセプトが似合う。2021/07/17

みみみ

3
「肝心なのはこたえを出そうとしないこと」2014/07/23

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