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何が私をこうさせたか―獄中手記 (増補新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393435106
  • NDC分類 916
  • Cコード C0093

内容説明

悲惨な境遇に抗して懸命に生きつつも、朴烈事件で大逆罪に問われ、一九二六年に獄中で自殺した女性が、搾取と貧困と差別に満ちた近代の日本を痛烈に告発。日韓国交正常化四十年に、日本人が忘れかけている歴史と人間の尊厳を問う。

目次

手記の初めに


小林の生れ故郷
母の実家
新しい家
芙江
岩下家
朝鮮での私の生活
村に還る〔ほか〕

著者等紹介

金子ふみ子[カネコフミコ]
1904年(明治37年)横浜に生れる。(戸籍上は1902年。生年は確定できない。1903年説もある)1913年山口県柚口の母の実家にひきとられるが、父親が母親を入籍しておらず、学齢期になっても無籍者として小学校に入れず。1914年父方の祖父母のいる朝鮮の芙江へ赴くが、あまりの虐待に耐えかね、13歳の頃、自殺を図る。1921年春上京して新聞販売員や露天商をしながら苦学。この前後に社会主義思想に接する。1922年無政府主義者の朴烈と出会って同棲し、「不逞社」を結成。1923年9月1日関東大震災の際、朴烈とともに拘留される。1926年皇太子暗殺の意図ありとして、大逆罪および爆発物取締規則違反により死刑判決を受ける(朴烈事件)。のち無期懲役に減刑されるが、7月23日、監獄内で縊死。享年23
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シンドバッド

9
これまで読んでみたいと思いつつ手に取らなかった本の一つ。たまたま文庫となったことを機会に読むことが出来た。予想以上に厳しい内容のものであり、締め付けられる痛さを感じた。本書を読んでみたいと思った、40年前の自分には余りに重すぎたであろうことが自明である。私も自身に問う『私自身の仕事へ』と!2018/02/27

koyasho

3
本田靖春『不当逮捕』に金子文子についての記述があり、気になってこの手記を読んだ。大正から昭和初期にかけての男性中心社会の中で生きた女性の短い生涯を伝えている。幼い頃に父母に捨てられて親類の間をたらい回しにされ、体が成熟した後は安価な労働力として利用され、そして男性からは性的に搾取される。パーソナルな記録ではあるが、それゆえに生々しくて胸に迫るものがある。2017/07/25

半木 糺

3
「たとい私達が社会に理想を持てないとしても、私達自身には私達自身の真の仕事と云うものがあり得ると考えたことだ。それが成就しようとしまいと私達の関したことではない。私達はただこれが真の仕事だと思うことをすればよい。それが、そういう仕事をする事が、私達自身の真の生活である。」2014/08/22

いち

3
何かわからないものにひかれて一気読みしてしまいました。 読み終わって、再びタイトルを見たけど、私には「何か」が悲しいほどに見当がつかなかった。 あの親じゃなかったら、あの土地じゃなかったら、あと10年違ったら、朝鮮に行かなかったら…「何」は途方もなく出てきて、そしてそれは誰にでも、私にも当てはまることに、また、泣きたくなった。2011/11/10

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