内容説明
西行は仏教の思想をどう捉え、歌に修行に生かしえたか。“煩悩即菩提”の想いこそ究極の境地であった…。北面の勤めを捨て俗世を出離し、激動の時代に作歌と旅と思索にあけくれた行動の歌人。和歌と宗教的境地の融合という視点を駆使し、仏教思想を深めていく西行の姿を克明に活写した労作。
目次
1 出家―求道心の芽生え
2 花に魅かれて
3 異郷の枯野―陸奥へ
4 鎮魂の旅路―四国修行
5 真如の光の中で―白峯陵参拝と讃岐の庵
6 峯の松風―伊勢の草庵
7 風のゆくえ―陸奥へ、再び
8 歌びとの本懐―嵯峨の草庵にて
9 仏道の教え
10 静寂の湖水―涅槃と煩悩
11 虚空なる心
12 身の散るままに
著者等紹介
佐竹温知[サタケオンチ]
大正15年(1926年)、奈良県吉野郡善行寺に生まれる。龍谷大学文学部宗教学科を卒業し、善行寺住職となる。昭和27年、東京大学文学部宗教学宗教史学科卒業。昭和59年4月、奈良県立大宇陀高等学校退職。平成15年、善行寺住職を退任し、還俗する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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