静かな水―正木ゆう子句集

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静かな水―正木ゆう子句集

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  • サイズ B6判/ページ数 177p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393434154
  • NDC分類 911.368
  • Cコード C0092

出版社内容情報

〈オートバイ内股で締め春満月〉〈しづかなる水は沈みて夏の暮〉万華鏡を覗くかのような鮮やかさと孤独。十七文字にとらえられた永遠が様々な角度から照射され光を放つ。

内容説明

作者と宇宙をつなぐものは―言葉。様々な角度から照射された、万華鏡のようなその世界。言葉の煌めきに充ちた、気鋭女流俳人の第三句集。

目次

春の月
虚木綿
遠き祭
牡鹿
雪解川

著者等紹介

正木ゆう子[マサキユウコ]
本名、笠原ゆう子。1952年(昭和27年)、熊本生まれ。お茶の水女子大学卒業。昭和48年より能村登四郎に師事。昭和61年第一句集『水晶体』(私家版)。平成11年俳論集『起きて、立って、服を着ること』(深夜叢書社)。平成12年同俳論集により第十四回俳人協会評論賞受賞。読売俳壇選者
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感想・レビュー

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ゆうゆうpanda

42
「さくら貝と生(あ)れてうすももいろの視野」さくら貝から見た世界がうすももいろだとしたら、俳人と生まれてきた女性にとって世界はどんな景色だろう。そこでは雲雀がここよここよと歌い、天井の影にも味がついている。「水の地球すこしはなれて春の月」で始まり「春の月水の音して上りけり」で終わる句集。季節を一回りして永遠を感じさせる構成になっている。滴るほどの感受性と、それを少し控えめに表現しようとする処女性のようなものを感じた。「実紫わが詩も小さく円かなれ」そして彼女の生み出す十七音は「滴りの力抜けたるとき落ちぬ」。2016/10/18

チャーリブ

39
再読本。久しぶりに本棚から取り出して読んでみました。この句集を読んで好きになった俳人さんです。テレビで俳句の師匠が教えてくれるような上手い俳句には全く惹かれませんが、この方の「宇宙的」な俳句には痺れました。たとえば、「水の地球すこしはなれて春の月」「引力の匂ひなるべし蓬原」「星月夜生(あ)れむといのちひしめけり」「太古より宇宙は霽れて飾松」「いま遠き星の爆発しづり雪」などなど。こんな天空俳句ばかりではありませんが、有季定型であっても季語に倚りかからない句姿が素晴らしい。◎2023/05/16

たかしくん。

24
俳句集は滅多に読みませんが、現代的な趣とちょっとユーモアを交えた作品を楽しめました。「水の地球すこしはなれて春の月」「春の山どうも左右が逆らしい」「ヒヤシンススイススイスイスケルトン」「秋刀魚下げ夕空という女の空」「オルガンの鞴に漏れしクリスマス」等々。2014/11/02

双海(ふたみ)

13
なんとなく短歌に疲れたときに古巣の俳句に戻ることがある。正木さんの句集は装幀も素敵。「しづかなる水は沈みて夏の暮」2024/02/08

atomos

5
有名句ばかりだけど、好きな五句 たんぽぽのまづは葉つぱの嬉しさよ 巻き了へて涅槃図のなか遥かにす ヒヤシンススイスステルススケルトン 柿四角なればナイフを十文字 やがてわが真中を通る雪解川2019/07/10

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