出版社内容情報
内田 伸子[ウチダノブコ]
内容説明
同じ目線に立ち、心の声を聴く。心と脳の最新科学をもとに、発達心理学の第一人者が贈る子育てメッセージ。
目次
1 乳児期―世界づくりの開始
2 個性の芽生え―「物語型」と「図鑑型」
3 イメージの誕生―認知革命
4 ことばの不思議―子どもが世界とつながるとき
5 絵本の読み聞かせ―心に栄養をとどけるいとなみ
6 子どもを取り巻く新たな問題―スマホに子守をさせないで
7 遊びで広がる想像のつばさ―毎日が「発想」の実験日!
8 想像力は「生きる力」―見えない未来を思いえがく
9 英会話塾は効果があるの?―ことばは子どもの未来を拓く
10 お母さんあせらないで―将来の学力はいつ決まる?
11 子育てに「もう遅い」はありません
著者等紹介
内田伸子[ウチダノブコ]
1946年、群馬県生まれ。お茶の水女子大学卒業、同大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学教授・理事・副学長などを経て、十文字学園女子大学理事・特任教授、福岡女学院大学大学院客員教授、お茶の水女子大学名誉教授。学術博士。専門は、発達心理学、認知心理学、発達心理言語学、保育学。ベネッセ「こどもちゃれんじ」の監修に立案時から25年以上携わるほか、NHK教育テレビ『おかあさんといっしょ』の番組開発、マルチおもちゃの監修など、多方面で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shoko
14
発達心理学、認知心理学、発達心理言語学、保育学が専門の著者が、子どもの発達プロセスを解説し、周囲の大人の寄り添い方を指南する本。とっつきやすさが重視されたエッセイ仕立てで、一部正確な情報を読み取りにくい部分があるものの、同著者の『子育てに「もう遅い」はありません』に比べて大分体系立っていて読みやすくなっていた。特に1〜3章は子どもの発達を脳のネットワーク発展に伴う認知革命に交えて説明されており、背景の仕組みが提示されることによって分かりやすくなっており、面白く勉強になった。2023/05/02
kyoko
9
友だちにもらって読んだ。なるほどなあと納得する部分が多く、子どもの生きる世界の広さ深さを感じた。家庭の経済力が学力に反映されるとよく言われるが、単なる経済力(塾や習い事に行かせること)ではなく、親の育て方の違いが将来の学力に影響することが論理的に書かれていて納得した。英語教育については、文科省の担当官は必読である。2019/08/10
志
8
最近読んだ育児書の中では、だいぶ専門的な本でした。でも、文章は平坦で読みやすいです。『気質は赤ちゃんのころから変わらない』『物語型と図鑑型』『第二次認知革命』我が子と比べて、そうか!と思うことがたくさんありました。赤ちゃんの頃と比べて楽になっているのかどうかわからない、相変わらず手探り状態の3歳以降の子育ても、少しヒントを得ることができました。2018/07/05
makimakimasa
5
扁桃体が快感で満たされると、海馬の働きが活性化され知識がどんどん吸収される。逆に緊張や不快を感じると頭が真っ白に。嫌々やらされる勉強は身に付かないが、自発的な遊びや主体的な活動に熱中すると、やり遂げた実感で自尊心が育つ。そこに親の共感(3H:褒める、励ます、視野を広げる)があると、安心して更なる挑戦に繋がる(急がせない、他の子と比べない)。理由の説明を無理に求めるのは萎縮させるだけ、5歳までは単なる自己主張しか出来ない。疑問に対してすぐ回答や解説を与えず、つまずき部分をよく洞察した足場架けも意識したい。2024/01/31
coldsurgeon
5
子供といられる時間は長くない。今の時間を楽しむことが大切だ。子供に寄り添い、可愛がり、子供の安全基地になることが重要である。共有型しつけといいうものを意識して、その子自身の進歩を認め、褒めること。生き字引のように余すことなく定義や回答を与えないこと。裁判官のように判決を下さないこと。子供自身が考え、判断する余地を残すこと。言葉で表現したくなるような内面の育ちがあるかどうか、それが子供の望ましい成長であり、知力となる。自分の子育ては遠い昔に終わってしまったが、孫の成長はまだ、始まったばかり。見守りたい。2018/11/10