内容説明
人間は成熟しなければならない、しかし成熟を教えることはできない―。啓蒙の困難を喝破し、「タクト」と呼ばれる臨床知が経験を深化させる鍵であることを示唆したカント哲学を刷新、啓蒙と体罰、愛と管理の混淆した教育の彼方へと至る全く新しい生成発達論。
目次
第1部 カントを失う(フィクションとしての近代教育;「もの自体」の空隙;教育可能性を求めて)
第2部 教育の世紀(異形への眼差し―野生児の教育;愛という名の調教)
間奏曲 発達の行方
第3部 喪の技法(境界と臨床;感覚の技―タクト;ある死者たちのモニュメントをめぐる考察)
著者等紹介
鈴木晶子[スズキショウコ]
京都大学大学院教育学研究科教授。上智大学文学部、同大学院文学研究科修了。1982年から1989年までケルン大学に留学。1997年から京都大学教育学部助教授、2003年より現職。専門は教育哲学、思想史、死生学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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