苦悩する人間

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393364734
  • NDC分類 114
  • Cコード C0011

内容説明

「意味に満ちた苦悩は、いつでも苦悩そのものを超越した何かに向かっている」―フランクルの最も根源的な思想・信仰を語る。

目次

第1章 自動性から実存へ―ニヒリズム批判(心理学主義;社会学主義;時代精神の病理学)
第2章 意味否定から意味解明へ
第3章 自律から超越へ―ヒューマニズムの危機(人間中心主義;擬人主義)

著者等紹介

フランクル,ヴィクトール・E.[フランクル,ヴィクトールE.][Frankl,Viktor Emil]
1905年ウィーン生まれ。フロイト、アドラーの影響を受け、精神科医となる。第二次大戦下、ナチスによって強制収容所に送られ、妻を始め家族の多くを失う。その後精神療法医として独自の「ロゴセラピー」を展開、ウィーン・ポリテクニック神経科部長、ウィーン大学教授、合衆国国際大学特別教授などを歴任。1997年没

山田邦男[ヤマダクニオ]
1941年、大阪に生まれる。京都大学教育学部博士課程中退。大阪府立大学総合科学部教授を経て、同大学名誉教授。人間学・人間形成論専攻

松田美佳[マツダミカ]
1965年、吹田市に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、花園大学非常勤講師。専門は宗教哲学
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感想・レビュー

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テツ

17
大戦中に強制収容所で家族を奪われ仲間を奪われ、自らの尊厳も魂も奪われたフランクルが語るからこそタイトルの『苦悩する人間』という言葉が突き刺さる。苦しみと痛みを乗り越えた末に存在する光みたいな考え方は陳腐に思えるけれど、彼がそれに至った背景を考えると重みが全く異なってくる。全てを受け入れて肯定し、自らの人生に自らが責任をもつ。いつか何処かで聞いたことのある言葉ではあるけれど、納得せざるを得ない。どんな苦しみにも意味を見出すことで人は存在していける。2021/08/30

yogi

7
苦悩する人間。タイトルに惹かれ手に取る。海の水湖の水川の水どれが好きかと聞かれたとしたら回答に困る。質問者に質問で返すのは心がひけるからなのだか、おそらく私の回答は私は水が好きだと答えるはずだそんな感じで考えたら嫌いな物はなんだろうか?沢山ある気がするが嫌い嫌いは好きのうちなんだろう。苦悩を私は全く理解してなかった今もあやしい観は否め無いが孤独苦悩精進し意味たる意味と出会いたくなった私です。2015/03/25

りんふぁ

3
忍耐が苦悩能力をつける、困難を受容することで精神の新陳代謝が起きる、この二つが強く印象に残った。2018/10/03

KUMAGAI NAOCO

2
大学のゼミで課題図書となっていて、結局休講だ何だで中途半端にしか理解出来なかった本をやっと読破出来たと思う。ナチスの強制収容所の中で妻や家族や多くの同志を失い、自身もあと数日で死刑に処される所で命をとりとめたフランクルが苦悩し、試練と向き合い、孤独と向き合い、そしてすべてを受け入れるまでの思想の道のり。訳者の後書きでは西田幾多郎の思想にも触れていたが、悲哀も苦悩も全て、何かしらの理由が必ず存在する事だと云うのが深く心に残った。2019/01/01

tekesuta

2
現代は集団神経症的で最高の知識を手に入れたが、責任意識は最小レベルだそうで。自分の人生に責任を持つという言葉は陳腐だけど、フランクルがいうとずっしりと重みがあるな。 2011/01/27

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