出版社内容情報
苦境に絶望することなく,過剰な自己意識も脱して,人生を切り拓くにはどうしたらよいか。ロゴセラピーなどフランクル思想のエッセンスをわかりやすく語った講演・対談集。
内容説明
「意味」こそが人を救う―苦境にうちひしがれることなく、過剰な自己意識も脱して、人生を切り拓くにはいかにすればよいか。ロゴセラピーなど、フランクル思想のエッセンスをわかりやすく語った講演・対談集。
目次
1 宿命を超えて―精神の抵抗力について
2 人生観を語る
3 生きる意味の心理学―ロゴセラピーをめぐって
4 ロゴセラピーとはなにか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
68
三度目のはずだが言いようのない新鮮な響きがする。いつどんな状況下にあっても、語りかけてくれるメッセージがある。人生に意味がないと感じることは病気ではなく、むしろそれは自然な事だとフランクルはいう。その奈落の底を歩く人間にこそ、既に備わっているはずの《精神の抵抗力》があり、《自己》を超えていける人間の力を繰り返し強調する。その《自己》はまるで仏教的なものに近く、変化し成長し、死のその瞬間まで変革し希望をもちつづけさせる人間の姿をいっているよう。ほっとするようでもあり、生きていく力に満たされるような本。2015/02/12
テツ
23
大学時代以来久しぶりの再読。「人生に生きる価値はない」 そうした悩みに絡み取られている若者(とは限らないか)に対して、そう感じることこそが精神的に成熟している証だとフランクルは応えてくれる。生きている間は常に自分自身の内側から湧き出る問いと対面し戦い、死が訪れる瞬間まで歩みを止めるべきではない。そうした生き方は安らぎがなかったとしても崇高で尊く『人間らしい』ものなのではないか。思春期の悩み苦しむ若者たちにこそ手にして頂きたい一冊。生きろ。延々と悩みと格闘しながら、生きろ。2017/11/19
ざっく
5
今日は、『夜と霧』で有名なフランクルの本を読んだ。「人間は、どれほどみじめな条件や状況にあっても、なんらかの意味を見出すことができるのであり、またそれによってある意味で幸福にもなれるのです。」と、アウシュビッツの拷問を経験した人が言うと重みがある。「自己超越とは、人間が、自分を無視し忘れること、自分を顧みないことによって、完全に自分自身であり完全に人間であることです。」という域まで、残りの人生で辿り着けるだろうか。仕事などのある一つの使命や、伴侶などのある一人を見つけることができるだろうか。2021/04/14
りんふぁ
2
ロゴセラピー、ちょっと興味をもった。面白いな。2018/09/21
さしとおう
2
人間には、「私の人生の意味はなにか」と問う権限がない、人生こそが、人間をいつでも問いに直面させているのだ、人間はその問いに答えなければならない。p128より ◇逆説志向は実行は簡単で効果がありそう。2009/07/18