エンドレスエイトの驚愕―ハルヒ@人間原理を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 417p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393333600
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0010

内容説明

「ただの芸術論には興味ありません!」超人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第2期で、悲嘆と昂奮の大激論を巻き起こした「エンドレスエイト」。“15498→15532”と現代アートの密かな関係とは?アニメ史上最大の問題作の謎に分析哲学の理屈力が挑む。

目次

第1章 エンドレスエイトの驚愕(前)「なにこれ!」
第2章 エンドレスエイトの憂鬱「やりきれんな…」
第3章 エンドレスエイトの溜息「やれやれ…」
第4章 エンドレスエイトの退屈「いいかげんにもう…」
第5章 エンドレスエイトの消失「どうしてこんなことに…」
第6章 エンドレスエイトの暴走「やりすぎでしょ…」
第7章 エンドレスエイトの動揺「いや、まだまだでしょ…」
第8章 エンドレスエイトの陰謀「この手でどうだ…?」
第9章 エンドレスエイトの憤慨「その手にのるか!」
第10章 エンドレスエイトの分裂「それだけじゃないだろ?」
第11章 エンドレスエイトの驚愕(後)「まさかこれほどとは!」

著者等紹介

三浦俊彦[ミウラトシヒコ]
1959年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。東京大学文学部教授。専門は、美学・分析哲学。和洋女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのくま

9
「エンドレスエイト」の底知れぬ重要性を掘り起こす本書は、社会評論的ではない作品論として非常に勉強になった。まず、作品における評価基準は四つある。物語(エンタメ)、表現(アート)、プロジェクト(共同体)、コンセプト(哲学)だ。物語定位であればあるほどその作品は古くなりにくく、コンセプト定位であればあるほど「新しい」と評価されやすい。「エンドレスエイト」は、物語→失敗、表現→失敗、プロジェクト→失敗、コンセプト→価値有り→物語再評価→…というループ構造が発掘される。また「消失」に続く「長門壊れた説」も実は…。2018/07/22

はやし

5
三浦先生のレポートを書くために、読了〜〜〜!! わかる、わかるぞ!と読めたのは、書いてあること全てがとっても丁寧に説明してもらえてたからだな、わからない人にわかってもらえる文章を書ける先生、ワクワクする2019/01/27

オズ

4
大問題作もしくは放送事故とも言えるアニメ涼宮ハルヒ伝説のエンドレスエイト回を紐解く。表題の人間原理は当然のこと、物理、宇宙論、分析哲学、セカイ系、物語論、詩人追放、等々…。多角的で立体的な視点からエンドレスエイトとその周辺を批評しており、もうとにかくめちゃくちゃに面白い。エンドレスエイト自体は退屈で視聴者に忍耐力を強要し、脱落者を続出させたにもかかわらず、本書が提示する内容は非常に刺激的だ。フィクションとシミュレーションの話も興味深く読んだ。考察の極みと言える。2022/12/03

わんにゃん

4
アートにはあまり関心がないので途中読むのがキツかったが、終盤の「長門限界説」と自意識についての問題がとても興味深く、読んでよかったと思った。ただ、最終章の解釈は所々無理があるように感じた。それにしても仮にここまで考え込まれてエンドレスエイトが作られていたのなら、制作チームは天才なんじゃないかと思う(笑)あと、テーマや装幀、文体的に若い人が執筆者だと思い込んだまま本文を読んだため、内容の濃さにびっくりした(正直期待してなかった)が、最後に東大の教授が執筆していると知り、少し安心した。頭が良すぎる。★★★★★2021/03/08

田蛙澄

3
序盤で順当にエンドレスエイトの物理的描写やジャンルとしてのターゲティング、芸術としての低級感覚への依存といった欠点を列挙し、そこからコンセプチュアルアートやミニマルアートとしての活路を提示し始め、最終的には人間原理とマルチバース論、バタフライ効果等をからめつつ、モノループからネガループまでの8層構造と、その構造自体をメタループとした9つのループ解釈を提示する発想の畳みかけは非常に刺激的だった。特に解釈を提示する度にその欠点を指摘して崩し、さらにより良い解釈を提示する方法は臨場感があってよかった。2018/10/09

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