出版社内容情報
3.11以後、記憶の風化のみならず、様々な地方の問題に直面した建築家たちの挑戦とは。社会と密接につながる建築の未来を提言。
痛みの記憶を内包する未来のかたちとは? 3.11直後からゼネコンが入らない被災集落で調査をつづける建築家から、震災遺構やダークツーリズムの現在まで、さまざまな角度から「カタストロフから始まる建築」をルポルタージュ。9.11やヒロシマ、四川大地震の現場やアートの試みを参考にしながら、新しい建築と社会の関係を提言する。
【著者紹介】
建築史・建築批評家。1967年パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。2008年、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナー。あいちトリエンナーレ2013芸術監督。平成25年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞。現在、東北大学大学院教授。『「結婚式教会」の誕生』『映画的建築/建築的映画』(いずれも春秋社)、『戦争と建築』『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』『被災地を歩きながら考えたこと』ほか著書多数。
内容説明
カタストロフから始まる―痛みの痕跡を内包する、未来のかたちとは?震災遺構、復興支援、ダークツーリズム…。記憶の風化と、スクラップ・アンド・ビルドにあらがう試みがここにある。
目次
第1章 建築の時間、記憶の時間(そこにあるから伝わること;建築による記憶の継承)
第2章 あの日からの建築(建築家、それぞれの挑戦;「3・11」展を中心に;都市と建築を再定義する;リレーショナル・アーキテクチャー―「3・11以後の建築」展)
第3章 カタストロフをどう伝えるか―メモリアル施設の現在(9・11メモリアル探訪;太平洋戦争の傷跡をたずねて;四川大地震の震災遺構と都市開発;阪神淡路大震災の跡地をゆく)
第4章 福島をめぐる問題系―放射性廃棄物処理からダークツーリズムまで(フクシマから世界へ)
第5章 カタストロフを受けとめる創造(芸術祭における震災という主題;芸術が喚起する空間の記憶;過酷な現実社会に解き放たれた想像の力―ヤノベケンジ論)
著者等紹介
五十嵐太郎[イガラシタロウ]
建築史・建築批評家。1967年パリ生まれ。東京大学工学系大学院建築学専攻修士課程修了。博士(工学)。東北大学大学院教授。ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展2008の日本館コミッショナー、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督、「3.11以後の建築」展のゲスト・キュレーターをつとめる。芸術選奨文部科学大臣新人賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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