ナザレのイエス―プロローグ:降誕

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  • サイズ B6判/ページ数 198,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393333334
  • NDC分類 193.6
  • Cコード C0016

出版社内容情報

歴史学や聖書学の成果を存分に用い、旧約の預言や象徴と照応しつつ読解、イエスとは何者かに迫る、信仰の神秘を示す珠玉の一冊。

【著者紹介】
1927年、ドイツ、バイエルン州生まれ。1951年に司祭に叙せられる。ボン大学、ミュンスター大学など多くの大学で基礎神学や教義学の教授を務め、優れた神学者として名を馳せ、1962-1965年の第2ヴァチカン 公会議にはフリングス枢機卿の神学顧問として参加。その後、ミュンヘン・フライジングの大司教、枢機卿を経て、2005年、第265代教皇に選出された。2013年2月、突然の退位を発表。著書は『キリスト教入門』、『信仰について』、『信仰と未来』、自伝『新ローマ教皇 わが信仰の歩み』など多数。

内容説明

イエスの降誕をめぐって、受胎告知や処女懐胎、イエスの系図や東方の三博士など、謎に満ちた福音書の記述を、歴史学や聖書学の成果を生かし、同時に、旧約の預言や象徴と自在に照応させつつ、イエスの神秘を解き明かしてゆく、ベネディクト16世の信仰が凝縮されたような美しい一冊。

目次

第1章 「お前はどこから来たのか」(イエスの存在と派遣についての問い)
第2章 洗礼者ヨハネの誕生とイエスの誕生の告知(テキストの文献としての特性;ヨハネの誕生の告知;マリアへの告知;マタイ福音書によるイエスの受胎と誕生;処女懐胎―神話か、それとも歴史的真実か)
第3章 ベトレヘムにおけるイエスの誕生(ルカ福音書の誕生物語の歴史的・神学的な枠組み;イエスの誕生;神殿におけるイエスの奉献)
第4章 東方の賢者たちの訪問と、エジプトへの逃亡(物語の歴史的・地理的枠組み;「星占い師」とは誰?;星;エルサレムでのヘロデ訪問;賢者たち幼子イエスに対する礼拝;エジプトへの逃亡とイスラエルの地への帰還)
エピローグ―神殿における十二歳の少年イエス

著者等紹介

名誉教皇ベネディクト16世ヨゼフ・ラツィンガー[メイヨキョウコウベネディクトジュウロクセイヨゼフラツィンガー] [Joseph Ratzinger Benedikt 16]
1927年、ドイツ、バイエルン州生まれ。1951年、司祭に叙せられる。ボン、ミユンスター、テュービンゲン、レーゲンスブルグの各大学で、基礎神学、教義学、教義史の教授として研究と教育の任にあたる。1962‐1965年のヴァティカン公会議には、フリングス枢機卿の神学顧問として参加し、のちに専任の公会議神学者に任命され、公会議の進展に深く関わる。1977年、ミュンヘンとフライジングの大司教、同年6月には、枢機卿に任じられる。1981年、教理省長官に任命される。2005年4月2日、2013年2月28日、退位、名誉教皇となる

里野泰昭[サトノヤスアキ]
1930年、東京生まれ。東京大学工学部卒業後、上智大学ラテン哲学科に入学、ドイツのボン大学カトリック神学部に留学。ボン大学カトリック神学部神学課程卒業後、ミュンスター大学、テュービンゲン大学、レーゲンスブルグ大学の博士課程において、ラツィンガー教授の指導を受ける。帰国後、千葉大学で助教授、教授を務め、千葉大学定年退官後は、仙台白百合女子大学教授を務め、2007年3月に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きゃんたか

16
前教皇によるイエス降誕物語のきわめて忠実な講解本。そもそもクリスマスを正しく理解するには新約聖書を紐解く他ないのだが、福音書とはイエスが「誰か」、「どこから来たのか」に答える書物であるという単純な事実の提示、そこに描かれる両極端な反応--イエスを貧しい大工の伜としてしか見れない人々と、イエスの言動から彼を天からの来るべき救い主と信じる人々--を著者と共に緻密に追うことで、一信仰者としても膝を正される思いがする。歴史のイエスと信仰のキリストとを橋渡しする著者の真摯な研究態度に、カトリックの底力を見た。2020/12/23

amanon

3
前ローマ法王によるイエス誕生及びその幼年期を解説したもの。語り口は易しいのだが、その内容はかなり濃いもので、単に字面を追っただけでは、その内容はとても汲み尽くせない。解説にもあるとおり、かなり護教論的な要素もあるにはせよ、概ねバランスは取れているかと思う。イエスの誕生の秘密と言えば、イエスは実はローマ兵の子であったという俗説があり、そうした説は信仰を持たない者には受け入れられやすい。信仰を持つ者にとっては、聖書通りではないにせよ、人知を超えた秘密があるとしか思えない何かがある…そんなことを改めて考えた。2014/03/10

KJ

0
イエスの降誕にまつわる様々な聖書箇所を読み解いていく一冊。保守的な立場から書かれているので福音派の信徒でも安心して読める。読んで新しい発見などは特になかったが、教皇の文章とだけあってどこか品位のようなものを感じた(訳文もあるだろうが)。読んで心が温まる一冊だ。2021/12/29

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