禅への鍵 (新装版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393333075
  • NDC分類 188.8
  • Cコード C0015

内容説明

なぜ坐禅するのか?禅問答の意味は?公案とは何か?禅に興味を持つ人が知りたい疑問に、世界的仏教者ティク・ナット・ハンが明快に解答。祖師の語録をひもとき、仏教思想の流れを平易に説き明かしつつ、観念的な教理や神秘主義といった歴史の垢を削ぎ落としたとき現れる仏陀直系としての禅のラディカルな行動の思想を明らかにする。日本では知られていないヴェトナム禅の公案集「課虚」も収録。

目次

第1章 マインドフルネスの修行
第2章 一杯のお茶
第3章 庭の柏の木
第4章 山は山、川は川
第5章 空の足跡
第6章 人間性の復興
付録 課虚

著者等紹介

ティク・ナット・ハン[ティクナットハン][Thich Nhat Hanh]
1926年、中部ヴェトナムに生まれる。10代で出家、禅僧となる。ヴェトナムで社会福祉青年学校、ヴァン・ハン仏教大学、ティエプ・ヒエン(インタービーイング)教団を設立。さらにコロンビア大学、ソルボンヌ大学で教鞭を執る。戦火のヴェトナムで反戦と戦争被災者救済活動に尽力するが、1966年にはフランスへの亡命を余儀なくされる。1973年のパリ平和会議にはヴェトナム仏教徒主席代表として参加。現在、農業、著述、講演活動とともに難民救済活動も展開

藤田一照[フジタイッショウ]
1954年愛媛県に生まれる。1982年東京大学大学院教育学研究科教育心理学(発達心理学)専攻博士課程中途退学。同年曹洞宗紫竹林安泰寺(兵庫県浜坂町)に入山。翌年得度。1987年に米国マサチューセッツ州西部にあるヴァレー禅堂の住持として渡米、禅の指導にあたる。近隣の大学や瞑想センターでも坐禅の指導や講義をおこなう。1995年春にティク・ナット・ハン師の日本での通訳をつとめる。2005年に帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

38
ベトナム人僧侶ティク・ナット・ハンの最初に出版された本で原著はフランス語で書かれた。欧米への仏教の紹介という意味でロジカルな表現が工夫されていて、欧米化が進んだ日本人読者である私にも取り付きやすい内容であった。マインドフルネスの提唱者として知られているが、本書ではオーソドックスな禅仏教を説明している。先行者として鈴木大拙にも言及している。西洋の生活・文化に合わせた仏教でなければ欧米に根づかないと説いているのが印象的。2022/09/07

booklight

35
うーん、素晴らしい。禅から見た仏教の全景が見える。悟りとは気づき(マインドフルネス)の体験であり、知識ではない。その教えは、月を指す指で、月そのものではない。なので禅では概念は教えず、それを直接の体験から伝えようとする。釈迦が広めた教えはインドでは概念として研究が進み、龍樹による中観派などが現れる。龍樹は概念による概念の破壊を目指すがそれも概念。中国に行くとより実践的な禅が生まれる。公案は概念を壊し体験に導くためにあり、それ自体が目的ではない。禅は仏教の中では特殊だが、悟りに対するアプローチが違うと理解。2020/06/24

テツ

14
禅は宗教ではない。大乗仏教の一派としての禅宗自体は宗教なのだろうけれど、古から現在に至るまでその歴史の中で数多の禅僧たちにより培われてきた禅的な世界の捉え方は生きていく上でのある種のテクニック(というと語弊があるけれど)なのだと思う。何にも拘らない。何にも縛られない。全てを放下し自身の身一つで世界と対峙することでようやく至ることのできるぼくの姿がある。そしておそらくその先がある。自分だけが在る世界の中での生き方がきっとある。そこを垣間見るためにも今この瞬間に全てを込めて生きていこう。過去も未来も必要ない。2020/08/26

takeapple

10
ティク ・ナット・ハン師が書かれた数少ない真正のベトナム禅仏教の視点からの仏教入門書。対象は欧米人、元はフランス語で書かれたものの英語訳からの重訳と言う位置づけなのだが、日本語訳しているのが藤田一照師だから禅の実践と言う意味では間違いないだろうし読みやすかった。臨済禅と曹洞禅の違いも公案を通すと掴みやすいのだと思った。ベトナムも漢字文化圏だから漢文のベトナムの古典があれば読んでみたいものだ。 2020/09/21

ぺぐ

4
難しくてなかなか読みすすめられなかったけど、尾瀬の山小屋で一人夜を過ごしながら読みすすめた本。繰り返し、言葉を変えて伝えようとしてくれているその境地に、いつか達することが出来るといいな。2016/10/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3075337
  • ご注意事項