格差社会という不幸

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 434p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393332955
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0036

内容説明

金融崩壊と世界同時不況で一気に露呈した日本社会の格差と貧困。一億総中流の平等社会と信じていた背後で何が起こっていたのか?解決策はあるか?グローバル化や世界の政治思想の潮流を踏まえ、少子化、教育、貧困、非正規労働など多様な視点から考察。さらに民主党の政策を踏まえて日本社会の針路を論じる対談を付し、この国の再生のために知るべきことを詰めこんだ必読の一冊。

目次

第1章 格差と少子化と結婚できない男と女―希望格差社会はここまで来た
第2章 格差社会をサバイバルする―日本社会の変容とハイパー・メリトクラシー
第3章 貧困は自己責任なのか―人が貧しさに陥るわけ
第4章 格差社会はなぜ生まれたか―小泉政治の負の遺産
第5章 アメリカという格差社会の幸福論―日本人は格差社会で幸せになれるのか
終章 格差のはての世界―民主政権で日本の展望はひらけるか

著者等紹介

神保哲生[ジンボウテツオ]
1961年、東京生まれ。15歳で渡米。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了。AP通信など米国の報道機関の記者を経て、1993年に独立、日米のテレビ局向けのドキュメンタリー制作に携わる。現在、ビデオジャーナリスト、日本ビデオニュース(株)代表取締役、「ビデオニュース・ドットコム」編集主幹

宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年、仙台市生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京大学教養学部助手、東京外国語大学講師を経て、首都大学東京都市教養学部人文・社会系社会学コース教授

山田昌弘[ヤマダマサヒロ]
1957年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在は中央大学文学部教授。専門は家族社会学。人間関係を軸に社会を分析。数々の新語を流行させたことでも有名

斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年生まれ。イギリス・バーミンガム大学大学院修士課程修了。国際学でMA取得。『プレジデント』『週刊東洋経済』記者などを経て、現在フリーライター。教育や社会・経済問題に鋭い舌鋒を揮う

本田由紀[ホンダユキ]
1964年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専門は教育社会学。学校教育だけでなく、ニートなど雇用問題、家族問題にも積極的に発言

堤未果[ツツミミカ]
1971年生まれ。ニューヨーク州立大学修士課程修了。米国野村證券勤務時に9・11テロに遭遇し、ジャーナリストに。米国社会を見つめなおすルポを多く執筆。また、著述活動だけでなく、テレビのキャスターや解説者も務める

湯浅誠[ユアサマコト]
1969年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科単位取得退学。現在、自立生活支援ネットワーク・もやい、および、反貧困ネットワーク事務局長。2009年10月、民主党政権の菅直人副総理兼国家戦略担当大臣からの要請で、内閣府参与に就任

鎌田慧[カマタサトシ]
1938年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。鉄鋼新聞社勤務を経て、現在、フリー・ジャーナリスト。社会の弱者や差別・貧困を扱ったルポを多く執筆

小林由美[コバヤシユミ]
1975年、東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行に女性初のエコノミストとして入社。同銀行退社後スタンフォード大学ビジネススクールに留学し、MBA取得。以降、証券アナリスト・インベストメントバンカーを経て、半導体やコンピュータ、M&A、不動産開発などさまざまな事業経営に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takeapple

11
この本が出たのは、2009年で、元になったマル撃が配信されたのは2006年から2008年、当時の民主党政権も、東日本大震災と原発事故に続く混乱から選挙で大敗、今に続く安倍政権へと交代した。格差社会を巡る状況は改善されるどころか益々悪化して、我が世の春は安倍晋三とそのお友達ばかりと言う胸糞悪い状況が続いている。コロナでそれは更に悪化するだろう。そこで改めて格差社会についてどうすべきなのか探りたいと読んでみた。結論は終章での神保さんと宮台さんの語り下ろし対話にあるが、小さな国会と包摂する大きな社会を作ることだ2020/08/05

yori

4
★★★★☆ 宮台氏のコメントはたまにうーーん、何か面倒くさい(。-_-。) って感じだけど、対談相手は興味を持っている方が多かったので勉強になった。結構ついて行くのは大変だった。三人での対談形式って言うのが良かったかも。(内容に触れてませんが、、^^;)2011/07/08

ktkel

3
グローバル化が進む世界において格差は必然的に生じるものであるという認識を持ち、そこからどういう格差を許容/拒絶すべきなのか、あるいは格差を(経済的・精神的に)緩和するような厚い社会をどう築くかという視座を持つことが重要である、というのが本を通じてのテーマだったかな(あまり深く読めてない…)。「グローバル化・格差・悪」という単純な議論よりも1つレベルの深い認識を持つことができたのでよかった。2011/09/21

maharaja

2
どのようにして格差は作られて行くのか。人の欲望や不安を刺激し、最終的に、自分が選んだ結果だから自己責任として貧困に突き落とす方法が書かれている。ビジネスをやるなら、貧困ビジネスをやるのが今の時代、一番効率が良いのかもしれない。知らないうちに、システムに組み込まれている。システムから抜け出そうとするその欲望さえも利用されてしまう。僕自身も、貧困層への道を歩んでいるという客観的な事実。どうしよう。より弱いものを騙そうか。格差は広がる。階級は固定する。救いはあるのか。自分の置かれている状況を把握できてよかった。2014/03/18

山男777

1
約7年ほど前に書かれたものだが、あれから7年、格差社会が縮小されるより、更に拡大された昨今。格差社会でお得感のある支配層は言葉の羅列だけで、その心地よさを手放すわけがない。階層の固定化、ヒエラルキーがあったほうがいいとおもってるだろうな。 2017/05/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/297559
  • ご注意事項