社会の未来―シュタイナー1919年の講演録

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393325407
  • NDC分類 169.34
  • Cコード C0010

内容説明

働く、働かないにかかわらず、あらゆる年齢のすべての人に最低限の所得を保障する“ベーシック・インカム”、その思想的源流としてドイツで再読されている、シュタイナーの“社会三分節化論”を収録。ロシア革命直後、ナチス台頭前夜、時代に抗して語られた六日間のドキュメント。

目次

アッピール 1919‐03 ドイツ民族と文化世界に訴える
社会の未来 1919‐10‐24 1日目―いま、社会と生活を変えたいと思う意志はどこにあるか
1919‐10‐25 2日目―経済生活について 連合体を基礎とすること
1919‐10‐26 3日目―法生活について 民主主義の課題と限界
1919‐10‐28 4日目―精神生活について 芸術、科学、宗教そして教育
1919‐10‐29 5日目―精神と法と経済をいかに協調させるか
1919‐10‐30 6日目―国民生活と国際生活
付録 1919‐2‐21 社会主義とイデオロギー

著者等紹介

シュタイナー,ルドルフ[シュタイナー,ルドルフ][Steiner,Rudolf]
1861年、旧オーストリア帝国クラリィェベックに生まれる。1925年、スイス・ドルナッハにて死去。ウィーン工科大学にて熱力学・哲学を学ぶ。ベルリンで文芸関連の編集者や労働者学校の教師をつとめ、各地で講演活動を行う。1902年、神智学協会ドイツ支部書記長に就任。1913年、神智学協会を離れ人智学協会を設立。第1次世界大戦後の1919年、ヴァルドルフ・アストリア煙草工場主エミール・モルトの依頼を受けて従業員の子どものための学校をシュトットゥガルトに設立、最初の自由ヴァルドルフ学校となる

高橋巖[タカハシイワオ]
東京に生まれる。1957年よりミュンヘンでドイツ・ロマン派美学を学び、その過程でシュタイナーの著書と出会う。1973年まで慶應義塾大学で教鞭をとり、70年代からシュタイナーとその思想である人智学の研究会や翻訳の活動に入る。1985年、日本人智学協会設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

磁石

18
現代社会の生活を成り立たせるためには、200億人以上の労働力が必要で、4分の3以上を機械が肩代わりしている計算になる。彼らは血の通った人間ではない、同じような肉体を持っておらず別の精神を基盤にして作られた鋼鉄の体、ただの道具とは言い切れない。だから必然、彼らの意見が社会の趨勢を決める。人が心地よいと思える環境よりも、彼らがそう思えるような場所に作り替えていく。楽するために使って支配していたはずが、いつの間にか逆に支配下に置かれていた。2017/06/09

磁石

17
経済/精神/法。人が最も人らしく、友愛とともに生活するためには、この三つを完全に分立させなければならない。この三脚が等分にあることで、全てがうまく循環し回る。現代社会は、経済活動に精神と法が従属させられている不安定なもの。精神生活は無力な一部分だけ飼い慣らされ、ほぼ決して現実と関わることができない。しかし精神こそが全ての経済の原動力になっている、現在社会を支えている80億人分超の機械労働力は全て、設計者と使用者の精神を代弁し肥大化させている。2016/11/03

ひかる

1
方々で引用されたり、名前の上がるシュタイナーを年始の読書会をきっかけに読むことになった。読み終われば、想像以上に優しい人で眼差しのあたたかい人という印象。カルトな部分ばかりが目について敬遠していたが、豊富な知識量と未来への眼差しにはまぎれもない情熱と理性があった。うなずきながら読み進めていくと深い思索に落ち込んでいくのは当然、洞察力のある著者の本は病理を拡大してわかりやすく見せてくれる(そこの是非は読者の視点になるが…)。今に違和感を感じるのなら、読んで間違いない本になる。2013/02/16

日常

0
第一次大戦後、講和条約の締結、国際連盟の結成の流れにある1919年10月。「社会の未来」と題してシュタイナーは6日間の連続講義を行う。そこで語られた当時の社会の問題点と未来への展望は、不思議なほどに現代の日本社会にも通じるものであった。経済に依存しすぎた社会から法と精神(教育含む)を独立させ、それぞれが有機的につながり協働し合う社会有機体三分節化論。当時勢いを増していた社会主義や資本主義の不足している点を現実的に指摘しながら、人智学の視点が盛り込まれている。最終日の国際社会についても、まさに今必要な視点。2023/09/26

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