出版社内容情報
絶対無の場にひらけゆく神と真実の自己の哲学が、精神的危機に苦しむ現代において持つ巨大な意義を明らかにする。日本の禅や西田哲学とも響きあうエックハルトの神秘思想。絶対無の場にひらけゆく神性と真実の自己の哲学は、人類の精神史においてどのような軌跡を描くのか。先蹤たるディートリッヒの遺産や後継者ゾイゼ、タウラー、さらにはシェリングやヘーゲルにも及んだ巨大な影響をふまえつつ、エックハルトの思想的特徴を解明し、精神の危機に苦しむ現代にこそ重要性を増す「個の覚醒」の意義を明らかにする。
長町 裕司[ナガマチユウジ]
1956年生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。上智大学大学院哲学研究科修士課程、同神学研究科修士課程修了。ミュンヘン哲学大学哲学研究科博士後期課程修了。哲学博士(ミュンヘン哲学大学)。現在、上智大学文学部哲学科教授。研究分野はドイツ近代・現代哲学と宗教哲学、とりわけキリスト教思想史におけるドイツ神秘思想及びハイデガーと現象学の展開。著書に『人間の尊厳を問い直す』(編著、上智大学出版)、『宗教的共生と科学』『宗教的共生の展開』『宗教的共生の思想』(いずれも共著、教友社)、『ライプニッツ読本』(共著、法政大学出版局)など多数。
内容説明
キリスト教思想史内部からの“突出せる非連続面”の一断面。日本の禅や西田哲学とも響きあうエックハルトの神秘思想。先蹤たるディートリッヒから説き起こし、ドイツ古典哲学を形成したフィヒテやシェリングやヘーゲルにも及んだ巨大な影響をもふまえ、また20世紀の哲学思索の巨頭ハイデガーとも対峙するエックハルトの、精神の危機に苦しむ現代にこそ重要性を増す「個の覚醒」の意義を明らかにする。
目次
序の部 今日の思惟の境涯における“ドイツ神秘思想”の意義
承前 知性的活動原理における、“神の像(imago)の在り処”の究明―ドイツ神秘思想成立の「理論的布石」としてマイスター・ディートリッヒ
本編 エックハルト論攷(マイスター・エックハルトの言語理解に寄せて;マイスター・エックハルトの根本テーゼ“Esse est Deus”―その、聖書的かつ形而上学的基礎の開明へ向けての準備考察;普遍的神性の問題を巡っての、マイスター・エックハルトにおける宗教哲学的問題脈絡への諸断章)
著者等紹介
長町裕司[ナガマチユウジ]
1956年生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。上智大学大学院哲学研究科修士課程、同神学研究科修士課程修了。ミュンヘン哲学大学哲学研究科博士後期課程修了。哲学博士(ミュンヘン哲学大学)。現在、上智大学文学部哲学科教授。研究分野はドイツ近代・現代哲学と宗教哲学、とりわけキリスト教思想史におけるドイツ神秘思想及びハイデガーと現象学の展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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