聖母の博士と神の秩序―ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスの世界

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323618
  • NDC分類 132.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

中世思想を総合し、近代の科学・哲学にも多大な影響を与えた知の巨人スコトゥスの精緻で独創的な思想をわかりやすく紹介。

中世思想の最高峰、ドゥンス・スコトゥスの哲学。ヴァチカン版スコトゥス全集完結を機に、「存在の一義性」「個別化の原理」「知的直観」など、その精緻で独創的な思想を多角的にわかりやすく紹介。中世哲学の特徴や日本との比較、キリスト教的背景などさまざまな視点を交え、アリストテレス、アウグスティヌス、アヴィセンナ、トマス・アクィナスなど錚々たる哲学者の見解を総合し、近代の科学・哲学にも多大な影響を与えた知の巨人の実像を明らかにする。

【著者紹介】
1952年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院哲学専攻博士課程修了。文学博士。専門はドゥンス・スコトゥスの哲学。現在、清泉女子大学ほか非常勤講師、東京港グリーンボランティア代表。東京キリスト教神学研究所所長。著書に『天使はなぜ堕落するのか――中世哲学の興亡』(春秋社)など。

内容説明

トマス・アクィナスと並び称せられる中世哲学の雄ドゥンス・スコトゥス。存在の一義性、個別化の原理、ペルソナ論など、中世思想を進展させ、近代科学の前提すら築いた彼の精緻な思索を複眼的にわかりやすく解説。さらに中世の世界観や神学・哲学観全体の理解にも絶好の一冊。

目次

第1章 『神と世界の秩序についての論考』のプロローグ
第2章 スコトゥス神学のなかの哲学
第3章 近代科学の曙光
第4章 直観の発見
第5章 ローマ帝国と奴隷制度
第6章 科学と心のはたらき
第7章 意志のはたらき
第8章 存在と本質
第9章 自己の存在とペルソナ
第10章 世界の秩序と科学
第11章 中世哲学は超えられるのか

著者等紹介

八木雄二[ヤギユウジ]
1952年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院哲学専攻博士課程修了。文学博士。専門はドゥンス・スコトゥスの哲学。現在、清泉女子大学ほか非常勤講師、東京港グリーンボランティア代表。東京キリスト教神学研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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toiwata

1
宗教改革から500年のあいだ、カトリックはなぜカトリックであり続けることができたのか。ローマの教会は何も変わらなかったわけではない。(あとがきの著者の個人的なこしかたの記載が読者の不意をつく感がある。)2016/01/15

amanon

1
内容はともかくとして、クリスチャンではない著者が長年に渡って、中世の神学者を研究してきたという事実が気になる。しかも、著者後書きによると、著者の母親が聖母マリアの祝日に亡くなったというのだから、表面的には信仰を持たなくとも、何某かのキリスト教の素地が著者に根付いたという証左なのでは?という気にさせられた。ただ、タイトルに反して、スコトゥスとマリアとの関係についての言及がなかったのがちと不満だが。それから、後書きで感謝の倫理学の必要性について述べているのが示唆的だった。ただ、注釈が無いのが気になる。2015/08/12

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