出版社内容情報
冷徹な科学的思考と生の意味を問う人間哲学が激突する医療現場。分子生物学やがんもどき理論等。医師のあるべき思想的立脚点を探る。
【著者紹介】
1966年生まれ。1990年、京都大学農学部卒業。1998年、京都府立医科大学卒業。2004年、東海大学大学院医学研究科博士課程環境生態系専攻修了。医学博士。現在、旭川医科大学医学部医学科講師。著書に『社会福祉学習双書』(共著)、『脳科学は宗教を解明できるか?』(共著)ほか。訳書にコーニック『スピリチュアリティは健康をもたらすか』(医学書院、2009年)、ジーヴスら『脳科学とスピリチュアリティ』(医学書院、2012年)ほか。
内容説明
人のいのちと向き合う医学は、冷徹な科学的思考と人間哲学の激突する現場である。哲学としての医学概論を創始した澤瀉久敬の思想を繙き、分子生物学や臨床疫学、フランクルの人間論、さらには近藤誠のがんもどき理論やスピリチュアリティなど現代の諸問題をも論じつつ、科学と哲学の葛藤を調停し、医学のあるべき思想的立脚点を探る。
目次
第1部 医学概論とは何か(澤瀉久敬の医学概論と現代医学;澤瀉久敬の医学概論と残された課題;柏祐賢の農学原論と澤瀉久敬の医学総論)
第2部 医学の方法論(二つの認識方法―科学的認識と哲学的認識;分子生物学;臨床疫学/EBM)
第3部 医学の人間観(エンゲルの生物心理社会モデル;ナシア・ガミーによる生物心理社会モデル批判;フランクルの次元的人間論と生物心理精神社会モデルの提唱)
第4部 現代医学の諸問題(ロゴセラピーと内観療法;医学における疑似科学の問題―代替医療は疑似科学か;統合医療の問題点は何か;近藤誠が現代医学に問いかけるもの;スピリチュアリティと科学的研究―脳内のセロトニン受容体結合力を中心に;医学教育の中でスピリチュアリティに関する講義は必要か)
著者等紹介
杉岡良彦[スギオカヨシヒコ]
1966年生まれ。1990年、京都大学農学部卒業(農学原論講座)。1998年、京都府立医科大学卒業。精神神経科研修医を経て、2004年、東海大学大学院医学研究科博士課程環境生態系専攻修了(がんの細胞内シグナル伝達に関する予防医学的研究を行う。International Journal of Cancer,2004)。医師、医学博士。現在、旭川医科大学医学部医学科健康科学講座講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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